Hewlett-Packard(HP)は米国時間6月22日、ニューヨークにて開催された技術イベント「Pepcom」にて「HP TouchPad」のデモを披露した。TouchPadは米国にて7月1日に発売される予定で、出荷可能な状態のTouchPadが公開されたのはこれが初めてとなる。
HP TouchPadにはHPのOS「webOS」が搭載される。webOSは、発売当時非常に革新的だとして注目された同社のスマートフォン「Palm Pre」にも搭載されているOSで、TouchPad版webOSでもマルチタスクやコンテンツ統合などPalm Preと同様の機能が実装される予定だ。TouchPadは曲線を描いたような形状でなめらかな手触り。持った時の感覚は重くもなく軽くもなく、Windowsベースのタブレット端末「HP Slate 500」とは見た目が全く違う端末になっている。
デモでは、TouchPadで簡単に画面をタッチしてウィンドウやアプリを整理する様子が紹介された。その様子はまるでPalm PreとResearch in Motionの「BlackBerry PlayBook」の中間のようだ。映画情報サイトを使って完全にFlash対応となっていることも示されたが、現時点で発売されている他社製のFlash対応タブレットと同じく、PCと比べると若干Flashでの体験が制限されていることは否めない。
HP TouchPadで特に優れているのは写真閲覧アプリで、ローカルに保存されたデータはもちろんのこと、FacebookやFlickrなどウェブ上の写真も集めて整理できるようになっている。すべての写真はユニバーサルアルバムに集約され、Palm Preで人気となったコンタクト先の集約機能と同様の仕組みが実現する。Facebookの写真はコメントも一緒に集約される。
イベントでは、AmazonのKindleアプリのデモも披露された。この時期から提供されているアプリとして出来具合は悪くないが、iOSやAndroidデバイスのユーザーであれば標準仕様となっているものだ。ページめくりや本棚のレイアウトはしっかりしており、筆者が利用している「iPad」のKindleアプリとは少し違ったものになっていた。
デモの見学者はほとんど端末に触れることができなかったため、その他の感想については完全なレビューができるまでおあずけだ。キーボードとドックも見ることができたが、ドックで試金石の充電技術を採用し、ピンの差し込み口よりも簡単になったこと以外、ほかのタブレット端末と大きな違いはなかった。
個人的に気に入ったのは、HP TouchPadで仮想キーボードのサイズが調整できる点だ。「iPad 2」の仮想キーボードが大きすぎると感じている人に懸命な選択肢を与えたと言えるだろう。
今回のデモだけでTouchPadを買う気持ちになるかどうかはわからない。結局のところ、タブレット端末はアプリが肝であり、現時点でどの程度のアプリが搭載されるかわかっていないためだ。しかし、HPがPalmを買収して1年がたち、webOS搭載のタブレット端末が波に乗ってきたことは確かなようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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