Hewlett-Packard(HP)は2月23日、上海にて「A New HP World」イベントを開催し、2月9日にサンフランシスコで発表したwebOSを搭載したタブレット「HP TouchPad」とモバイル端末「HP Veer」「HP Pre3」をアジア太平洋地域において初披露した。HP TouchPadは今年の後半に中国で発売される予定で、日本での発売は未定。
webOSは、HPが2010年4月にPalmを12億ドルで買収した際に獲得したもの。マルチタスキングなどを持つwebOSを拡張して新たにVPN(Virtual Private Network)やAdobe Flash Playerなど50の機能を追加した。webOSは「シナジーによって、人々の感じ方やつながり方を変えていく。成功の要因はシナジーにある」(HP コンシューマーアプリケーションビジネス担当シニアバイスプレジデントのSteven McArthur氏)とし、FacebookやTwitter、Googleなど複数のサービスとデバイスをwebOSでどのように世界をつなげるかが成功の鍵になるとした。
HP TouchPadは、9.7インチ(1024×768)のディスプレイ、QualcommのSnapdragon デュアルコアプロセッサ(1.2GHz)、カメラ、高品質な音を再現する「Beats Audioテクノロジ」などを搭載する。重さは740g。「HP TouchPadはデジタルキャンバス」(Steven McArthur氏)と表現し、メールやウェブなどの基本機能に加え、映画や音楽や電子書籍なども楽しめることをアピールした。
McArthur氏は、「今回発表したwebOSやVeer、Pre3などは、世界をつないでいく始まりに過ぎない。競合他社はそういった目標を立てられないでいるが、HPは際だったテクノロジを持ち、目標を達成できる立場にいる」とし、ユーザーエクスペリエンスをさらに向上させると語った。
また、イベントでは、新たにコンシューマー向けPC「HP PavilionノートブックPC」シリーズや「TouchSmart 610 PC」、ビジネス向けに「HP ProBook」シリーズ、ワークステーションやシンクライアントを発表した。
このほかにも、新ビジョン「コネクテッド・ライフ」を発表。PCからプリンタまで幅広いラインアップを持つHPは、ハードウェアとソフトウェア、さらにwebOSを活用することで、シームレスなネットへの接続とリッチコンテンツ、アプリケーションを提供できる。使い勝手よくあらゆる要素を接続することで、他社との差別化を図る考えを示した。
HPでは、今後サービスサポートを強化していくと発表。2011年度に「HPトータルケアセンター」と呼ばれる4つの新しいサービスセンターを中国で立ち上げる。
米国に続き、アジア太平洋地域でも新たなブランドキャンペーンとして「Everybody On」を展開。グラミー賞を受賞するAlicia Keys、中国の人気アーティストであるJJ.Lin氏らが、Beats Audioテクノロジによってアーティストの思い通りの音を再現できることをCMなどでアピールし、ブランド力を高めていくとした。
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