Googleが「Native Client」と呼ばれる安全性の高い基盤の上で、「Chrome」を徹底的に作り直す作業を開始したとの情報を、米CNETが入手した。
その第1段階の対象は、ChromeブラウザがPDFファイルを読めるようにするために使われている、Chrome内蔵モジュールだ。Chromeチームのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるLinus Upson氏は、5月のGoogle I/Oカンファレンスでその計画について明らかにしており、今回、その第1段階が進行しているという証拠が出てきた。
Native Clientのバグトラッキングデータベースでは、Native ClientバージョンのPDF拡張機能についての投稿が不意に出始めてきた。プログラマーらが直面している問題は、スクロールバーのレンダリング、「Gmail」の統合、PDFファイルの読み込み、リンクの上にマウスポインタを重ねた場合のURLの表示などだ。
この問題のいくつかは、「Chrome 14」の完成スケジュールでタグづけされている。このことは、そのバグの修正が、開発中であるChromeの次のバージョンに間に合うように行われることを保証するものではないが、修正作業は短期プロジェクトであって、長期的なものではないことを意味している。
「NaCl」とも略されるNative Clientは、2つの保護されたサンドボックスの範囲内でソフトウェアを駆動させるためのテクノロジだ。GoogleはNaClによって、ウェブページに埋め込んだJavaScriptを実行させることによる簡便さと、特定のOSとプロセッサ向けに作られたネイティブソフトウェアの高い性能を両立させたいと考えている。NaClソフトウェアモジュールを静的解析と呼ばれる方法であらかじめ調べれば、データのハードドライブへの書き込みなど、制限された操作の特定のサブセットを使わないようにすることができる。NaClモジュールを作成するには、特別に修正されたプログラミングツールを用いる必要がある。
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