Googleは当初、Native Clientを、ウェブアプリケーションをネイティブアプリケーションの速度まで加速する方法として売り込んでいた。同社は使用例として、写真編集や「Quake」というゲームのプレイなど、プロセッサに負荷のかかる操作を紹介していた。しかし2011年のGoogle I/Oカンファレンスで米CNETが知ったのは、GoogleがChromeそのものをNaClパッケージとして再構築する計画であることだ。これによって、Chromeのセキュリティの厚みは増し、誰かがこのブラウザ(あるいはChrome OS)を攻撃の媒介として悪用するのはかなり難しくなるだろう。
今のところ、Native ClientはChromeに組み込まれたプラグインであって、その逆ではない。それは、「Pepper」(コショウ)と呼ばれるプラグインインターフェースを使っている。そういえば、NaClは塩化ナトリウム、つまり塩の化学式だ。
ChromeのすべてをNaClの上に再構築するのにどのくらいの時間がかかるのか、正確なところは分かっていない。まず、NaCl自体が完成していない。今のところ、初期設定ではオフになっているが、アドレスバーに「about:flags」と入力して、Native Clientを有効にすれば、試してみることはできる。
Googleは、慎重に歩を進めている。
Chrome担当シニアバイスプレジデントを務めるSundar Pichai氏は5月に行われたインタビューで、初めに「われわれは、Native Clientが正しい方向に進んでいることを確かめる必要がある」と語った。
Chrome担当プロダクトマネージャーのBrian Rakowski氏はさらに、NaClをベースとしたChromeの再構築の取り組みについて、「今のところそれは、計画というより夢だろう」と述べている。
それでもなお、そこからは、GoogleがセキュリティをどれほどChromeとChrome OSのセールスポイントにしたいと考えているかが分かる。GoogleはChromeによって、密かに新バージョンに置き換わる、自動アップデートソフトウェアの先頭に立った。つまり、新しく発見された脆弱性に対処するために、Chrome(あるいはAdobeの「Flash Player」などの組み込みコンポーネント)を素早く置き換えることができるということだ。
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