Appleは米国時間6月21日、プロ向けビデオ編集ソフトウェアの最新版「Final Cut Pro X」をリリースした。
Final Cut Pro Xは、Appleが2009年に「Final Cut Studio」の一部としてリリースしたソフトウェア「Final Cut Pro 7」の後継版である。Final Cutを完全に64ビットに書き換えたこの最新版の価格は299.99ドルで、Studioスイートに含まれる複数のソフトウェアプログラムの機能が搭載されている。
Appleが今後リリースする「Mac OS X Lion」と同様に、Final Cut Pro Xは同社のデジタルストアMac App Storeを介してのみ提供される予定である。つまり、今後の新しいアップデートは、Mac App Storeアプリケーションを介して提供される。また、ユーザーは、コピーを所有する認証済みのコンピュータすべてにインストールできる。
Appleは、同ソフトウェアは「柔軟なトラックレスのキャンバス上での編集を可能にする『Magnetic Timeline』、インポート時にコンテンツを撮影の種類、メディア、映っている人々によって分類する『Content Auto-Analysis』、中断されることのない作業を可能にするバックグラウンドレンダリングによって、ビデオ編集をまったく新しいものにしている」と述べている。
同アプリケーションは、2011年4月にラスベガスで開催のNational Association of Broadcasters Showに伴って開かれたFinal Cutユーザーグループイベントにおけるデモで初めて披露されたが、Appleはそれ以上の詳細については口を閉ざしたままであった。
新機能の1つに、映像内に人物が映っているか、または、どのような撮影の種類(クローズアップ、中間、ワイドアングル)かなどを検出するツールがある。この機能は「iMovie」の最新版に追加されているものだが、iMovieから継承する機能はこれだけではない。Appleは、クリップ上でマウスを動かすだけでクリップのコンテンツのプレビューを可能にする「スキミング」機能も、iMovieから採用している。
同ソフトウェアは、マルチコアプロセッサとますます強力になっているグラフィクスチップを活用できる設計になっている。同ソフトウェアには、「Intel Core 2 Duo」以上のプロセッサ、2Gバイト以上のメモリ、256Mバイト以上のビデオメモリを持つOpenCL対応のグラフィックスシステム、「Mac OS X 10.6.7」を搭載するMacが必要である。
またFinal Cut Proには、2種類の関連プログラムが用意されている。「Motion 5」はプロ向けのモーショングラフィックス用で、「Compressor 4」はメディアエンコーディング用である。どちらのプログラムも価格は49.99ドル。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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