ハッカー集団のLulzSecとAnonymousが共同で活動--銀行、政府機関などへの攻撃で協力

Elinor Mills (Special to CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高橋朋子2011年06月21日 11時43分

 ハッカーグループのAnonymousとLulzSecが、銀行や政府機関など、名の通った組織をターゲットとする攻撃作戦で協力することを表明し、また、機密情報の窃取と漏えいを人々に促す声明を発表した。

 「AntiSec」と呼ぶ両グループの活動は、6月20日に最初の標的を定めたようだ。この日、組織犯罪を取り締まる英国の公共機関Serious Organised Crime Agency(SOCA)のウェブサイトがダウンした。LulzSecは同キャンペーンを表明する声明を公開した後、Twitterへの投稿で「#AntiSecの名のもと、標的--http://t.co/JhcjgO9--は落ちた」と発言した。SOCAのサイトは朝方ダウンしたが、昼頃には復旧した。

 LulzSecは、声明で次のように述べている。「最優先課題は、保存されている電子メールや書類など、政府の機密情報を窃取し漏えいさせることだ。主なターゲットは銀行その他の重要組織だ。われわれの行く手を阻もうとするなら、トカゲの血を塗りこんだ砲弾でそれを打ち砕く」

 「昔のインターネットが戻ってきた。無政府状態だ。場所と時間を問わず、できうる限り『AntiSec』を広めてもらいたい。『ハッカーたちよ、団結せよ』と言ったら少々クサいだろうか」とLulzSecはTwitterに書き込み、その後のツイートでは次のように述べている。「言うまでもなく、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃は、最も攻撃力は弱いが最も数量に富んだ武器だ。政府へのハッキングは水面下で進行中だ」

 LulzSecはここ最近、米中央情報局(CIA)、米国議会上院、米連邦捜査局(FBI)の関連組織InfraGard、ソニーなどのサイトを攻撃してきた。相手を困らせて楽しむことが目的のLulzSecは、Anonymousの一派とみられているが、冗談半分にAnonymousとは対立しているふりをすることもある。

 一方のAnonymousは、政治的な理由から、また言論の自由を支持するために組織を攻撃する傾向のある「ハクティビズム」集団だ。これまでに、イラン、エジプト、トルコなどの政府をターゲットとしてきた。そのほか、「PlayStation 3」をハッキングした人物にソニーが法的措置をとったことへの報復として同社を標的にし、また内部告発サイト「WikiLeaks」がオンライン寄付を受け取れなくするため、同サイトへのサービスを停止したPayPal、Visa、MasterCardなどのサイトにも攻撃を仕掛けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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