米最高裁、MSに2億9000万ドル支払い命じる--「Word」特許侵害訴訟

Jay Greene (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 福岡洋一2011年06月10日 10時54分
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UPDATE 米最高裁判所は米国時間6月9日、Microsoftがカナダの小規模企業i4iの保有する特許を侵害したという下級裁判所の判決を全員一致で支持し、Microsoftに2億9000万ドルの支払いを命じた。

 この決定は、テクノロジへの特許法適用に広範な影響を及ぼす可能性がある。Microsoftは、特許が無効とされる基準を裁判所が変更し、「優位な証拠」で足りると判断することを求めていた。ところが裁判所は、「明白で説得力ある証拠」を要求する現行の基準を容認し、i4iを支持する判決を下した。

 Microsoftは声明で判決への失望感を示し、次のように述べた。

 「この訴訟は、最高裁自身がこれまでの判決で疑問視し、当社としても解決を要すると考えていた法律上の重要な問題を提起した。望んでいた結果とはならなかったが、われわれは引き続き法律の変更を支持し、特許制度の悪用を防いで真のイノベーションを示す特許を保有する発明者たちを保護するよう訴えていく」

 多数意見の執筆を担当したSonia Sotomayor判事は、現行の法律において、明白で説得力ある証拠によって無効性を証明する必要があるかどうかが、この裁判の中心的な問題だと指摘した。

 「必要がある、というのがわれわれの見解だ」と、Sotomayor判事は書いている。

 Sotomayor判事は、この訴訟が広範な方針に関わる問題だと認め、一部の超大手企業による議論が米国の産業界を二分する動きになっていることを指摘した。だが同判事は、特許の無効性を示す証拠に関して基準を変更する判断を下すのは議会であって、裁判所ではないとしている。

 「証拠に関する基準を再調整する一切の権限は、なおも議会が握っている」とSotomayor判事は書いている。

 Sotomayor判事の他に6人の判事が同じ意見を表明し、Clarence Thomas判事は多数意見とは別に判決理由を補足する同意意見を執筆した。John Roberts最高裁主席判事は、10万ドル以上に相当するMicrosoft株式を保有しているため審理に参加しなかった。

 今回の判決はi4iの正当性を証明するものとなった。Microsoftは、i4iが特許を悪用し、有効性の疑わしい特許侵害を申し立てることでMicrosoftの豊富な資金を引き出そうとしているという印象を与えるよう試みたが、この従業員30人ほどの企業は、巨大な多国籍企業との費用のかかる訴訟を耐え抜いた。

 「幾度となく言われたことの1つは、やめるようにということだった。勝ち目がないと言われていた」と、i4iの会長を務めるLoudon Owen氏は述べた。

 今回の判決によって、i4iのパートナーや顧客の不安は取り除かれることになる。

 「パートナーや顧客は、特許が問題になっていることしか知らない」とOwen氏は述べ、訴訟で手にする資金の使い道はまだ決めていないと付け加えた。

 i4iは2007年、広く使われている文書処理用プログラム「Microsoft Word」におけるXML(Extensible Markup Language)の使用方法に関する特許をMicrosoftが侵害したと主張して、同社を提訴した。陪審はi4iを支持する評決を下し、Microsoftはこれを受けて上訴した。だが控訴審で敗訴したため、Microsoftは最高裁に審理を申し立て、最高裁は4月に審理を開始していた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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