最後に2つの最も重要な疑問が残る。そして、これらの疑問に対する答えは、Windows 8が最終的にどのような名称になるにせよ、消費者が同OSを実際に手に入れるまで分からないだろう。1つめの疑問は、人々はデュアルOSセットアップを本当に欲しているのかということだ。Windows 7上で「Android」を動作させるという興味深い取り組みを行っているBlueStacksは、デュアルOSセットアップが求められていると考えているようだが、同社のソフトウェアはまだ一般向けにリリースされていない。Microsoftは、HTML5とJavaScriptを基盤とするWindows Phone 7と従来のWindows 7の統合は多くの人が思っているよりも緊密だと話しているが、だからといって2種類のWindowsというアップグレードを人々が望んでいるとは限らない。
その疑問に関連することだが、Windows Phone 7は今回の昇格に値するような影響を消費者に及ぼしたのか、ということも疑問だ。Neilsenの市場調査によると、Windows Phone 7の米国スマートフォン市場におけるシェアはわずか1%だという。また、米CNETのDonald Bell記者がD9でのWindows 8発表に関する米CNETライブブログで指摘(トランスクリプトはこちら)したように、Windows Phone 7のインターフェースは開発が終了した「Zune HD」を継承したものだ。
これが「『Windows Vista』の二の舞」にはならないことを示す理由はたくさんある。Windows 7とWindows 8は、この10年以上で初めてハードウェアダウングレードに対応するMicrosoft製OSである。つまり、この新OSは最新ではないハードウェアでも動作するということだ。Windows 7はまた、よりタッチ操作に合ったインターフェースを追加する基盤として、実績があり、成功を収めている。Windows 7はユーザーから高い評価を得ており、リリースから1年半以上が経過した今も、同OSの市場での普及率は上昇を続けている。
もしAppleが同様のこと、つまり人気が高く、直観的に操作できる「iOS」を「OS X」の上に重ねて両OSの間を円滑に行き来する方法を提供したとしたら、不確かな要素ははるかに少なくなるだろう。とはいえ、まだ大きな支持を得るに至っていないルックアンドフィールに賭けるのは、勇気の要る選択だ。そして、それを最初に試みたMicrosoftには、祝福の言葉を捧げるべきだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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