UPDATE Appleは、クラウド音楽サービスに関するライセンス契約をEMI Musicと結び、また、Universal Music GroupとSony Music Entertainmentとも契約締結の直前まできている、と複数の音楽業界筋が米CNETに語った。
Warner Music GroupがAppleと契約を結んだことは、すでに米CNETで4月に報じた通りだ。このライセンス契約により、Appleはライセンスを完全に受けたうえでクラウド音楽サービスを開始し、AmazonとGoogleのサービスに対抗できるようになる。AmazonとGoogleのサービスはライセンスを受けない状態で開始されている。
Sony Music GroupとUniversal Music Groupとの交渉は、早ければ来週にもまとまる可能性がある、と情報筋は述べる。これが意味するのは、4大レコード会社すべてとの契約締結が6月に開催されるAppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)に間に合うということだ。ただし、米CNETの情報筋によると、いつAppleがこの取引について発表し、クラウドサービスを開始するかは不明だという。
レーベル側の関係者はコメントを拒否している。Appleの広報担当者と直ちに連絡をとることはできなかった。
クラウドとは、コンピュータ処理にローカルのPCではなくサードパーティーのサーバを使用することを意味する用語である。クラウド音楽サービスの中核となる機能の1つに、ユーザーが所有する楽曲を企業のサーバに保存させることを可能にするというものがある。ユーザーは、ウェブ接続されたデバイスから自分のライブラリにアクセスできるようになる。
Appleは、クラウド音楽サービスに関する競争において、GoogleおよびAmazonに遅れての開始となる。しかし、Appleは、競合企業がライセンス制限により導入できない機能を多数提供できる自由を現在得ている、と情報筋は述べている。
1つの例としてAppleはGoogleやAmazonとは異なり、ユーザーに何時間もかけて楽曲をAppleのサーバにアップロードするよう求めない。Appleは、ユーザーのハードドライブをスキャンしてユーザーの所有する楽曲を把握し、マスター音源のストリーミングにアクセスできるようにすると思われる。このプロセスは、「スキャン&マッチ」と呼ばれ、Appleが2009年12月に買収した音楽サービスLalaによって有名となった。
4大レコード会社がクラウド音楽戦争のどの陣営に味方しているかは明らかである。レコード会社側は、Appleのサービスと比較して、他の2サービスが見劣りすることに期待している。Appleのサービスが競合サービスを上回れば、AmazonやGoogleにレーベルへのライセンス料を支払うよう促せると、彼らは考えているのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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