2006年12月にサービスを開始した「ニコニコ動画」が5年目に突入した。今や2000万人以上のユーザーを抱える動画共有サイトへと成長したニコニコ動画だが、その間には「初音ミク」や「El Shaddai(エルシャダイ)」など、ユーザーが投稿した動画から火がつき話題になったコンテンツが数多く生まれた。
また、ニコニコ動画の現状や新機能を紹介するユーザー向けイベント「ニコニコ大会議」では、ニコニコ動画で活躍する歌い手や踊り手によるライブイベントが定番となっており、その都度会場はユーザーやファンで埋め尽くされる。
なぜニコニコ動画はこれほどまでにネットユーザーに受け入れられたのか。GACKT氏に似た歌声で人気を博し、ニコニコ大会議でも常連の歌い手「ぽこた」氏(28歳)に、動画を投稿するにいたった経緯やニコニコ動画の魅力を聞いた。
--ニコニコ動画との出会いはいつですか?
3年前(2008年)の4月ごろですね。すでにニコニコ動画を利用していた知人から教えてもらいました。僕はもともとパソコンやインターネットに疎かったので、「世の中は自分の知らないところでこんなに変わっていたんだなぁ」と感じましたね。それから4日後に初めて動画を投稿しました。
--出会ってから動画を投稿するまでがかなり短いですね。
学生時代からバンドをやっていたんですが、自分の歌を誰かに聴いてもらうということが凄く大変でした。でも、ニコ動ならすぐに聴いてもらえそうだなと。当時は時間にも余裕があったので。
--ニコニコ動画で好きな動画のジャンルはありますか?
兄貴MADや松岡修造さんのMADなどバラエティ要素のある動画ですね。ネットの世界ならではというか、これだけ凄い技術を持ちながらこんなにしょうもないことをやっている人たちがいる。ニコ動に惹かれたのもそういうところです。
--ぽこたさんは当初から、GACKTさんに似た歌声の動画を投稿されていますね。
当時はまだVOCALOID(バーチャルシンガーソフト)などもそこまで使われていなくて、メジャーアーティストのマネをしたり、CDに収録されているインストバージョンを使って歌っているユーザーが中心でした。僕はGACKTさんがデビューされたころから大好きで、友人から歌声が似ていると言われることも多かったので、自分がどこまで通用するのか試してみたいという思いから動画を投稿しました。
--GACKTさんとはニコニコ動画のCMで競演されていますね。
CM自体は別撮りなのでその場ではお会いしていませんが、数日後にお会いする機会を設けていただいてご挨拶させていただきました。そのときは夢見心地でしかないというか、あまり実感がありませんでしたね。その後は、僕が飛ばしたTwitterのリプライがきっかけで、フォローしていただいています。
--音楽に専念するため、2010年の秋ごろに会社を辞められたとのことですが、不安はありましたか?
不安でしかなかったですね。自分は1人っ子なんですが親がまじめだったので、どちらかというと親が言ったことに従う人生を送ってきました。なので、自分も自ずと保守的に生きてきたんですが、その道を外れるということにもかなり悩みましたし、いろいろと考えることはありましたね。今では辞めて良かったと思っていますが。
それまでは仕事と音楽の二足のわらじだったので、睡眠時間は毎日1~2時間という生活でしたね。おかげで今は多少、人間らしい生活を送ることができています。
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