ハッカー集団Anonymousを名乗る者が書簡を公開し、「PlayStation Network」に対する攻撃には関与していないと主張した。
米国時間5月4日にウェブに投稿された書簡には、「正当かつ公正な捜査が行われれば、Anonymousによる犯行でないことが分かるだろう。Anonymousは分散型で非中央集権型の組織だが、われわれの『指導部』はクレジットカードを盗むことを容認していない」と書かれている。
この書簡は、ソニーが4月に起きた同社顧客データへの大規模攻撃についてAnonymousによる犯行を匂わせたことを受けて、投稿されたものだ。
Sony Computer Entertainment Americaの会長である平井一夫氏は4日、議会に宛てた書簡の中で、同社がSony Online Entertainmentサーバに「Anonymous」という名前のファイルがあるのを発見したことを明かした。もっとも、平井氏は同ハッカー集団が顧客データを盗んだと考えているとまでは言っていない。
「Sony Online Entertainmentは1日午後、サーバからデータが盗まれたことを発見したとき、侵入者がサーバの1つに「Anonymous」という名前のファイルを埋め込んだことも確認した。そのファイルには、『We are Legion』という言葉が保存されている」(平井氏)
ソニーは4月、同社が「違法な目的のために個人情報およびクレジットカード情報を盗むことを狙った、非常に周到に計画された、高度にプロフェッショナルで極めて洗練された犯罪的サイバー攻撃」と呼んでいる攻撃で、7700万人のPlayStation Networkおよび「Qriocity」ユーザーの個人情報が盗まれたことを明らかにした。なりすましや違法購入の事例はまだ確認していないと述べているが、同社のオンラインサービスは未だに利用できない状態にある。今週、サイバー攻撃を受けて、Sony Online Entertainmentのサイトもアクセス不能になった。
Anonymousは4月上旬、ソニーが「PlayStation 3」ハッカーと言われるGeorge Hotz氏を訴えたことを受けて、実際にソニーをサービス拒否(DoS)攻撃の標的にしたと言われている。しかし、PlayStation Networkに対するハッキングについては関与を否定している。
問題の書簡が本当にAnonymous全体の見解を表しているのかどうか判断するのは困難だ。自ら指摘しているように、Anonymousは明確なヒエラルキーを持たずに世界中で活動を行う「非中央集権型」の組織である。ウェブに投稿されたたった1通の書簡が組織全体の見解を表しているのかどうか特定するのは不可能に近い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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