「PlayStation Network」(PSN)への不正アクセスが明らかになってから約1週間が経ち、ソニーが同サービスの再開に取り組む中、同社に対して説明を求める政府機関が増えている。
米下院エネルギー/商業委員会の商業、製造業および貿易に関する小委員会は米国時間4月29日、Sony Computer Entertainment Americaの会長である平井一夫氏に書簡を送り、事件の全容、データ保護とプライバシーに関するソニーの方針、顧客に対する補償計画など、十数項目について問いただした。
同小委員会の委員長を務めるMary Bono Mack下院議員(共和党、カリフォルニア州選出)は書簡の中で、「消費者情報の保護に向けた取り組みについて情報を提供する」ため、ソニーが運営するネットワークへの侵入が起こった経緯を知りたいと述べている。同小委員会は5月6日までに回答するよう求めている。
台湾の台北市政府法規委員会も4月28日、PSNの顧客の個人情報流出、およびクレジットカード情報流出の可能性について、その経緯を詳しく説明するよう求める書簡をソニーに送付したと述べた。同委員会は、顧客に対するソニーの補償計画についても質問している。
書簡は27日に送付され、10日以内に回答するようソニーに求めている。この回答期限が過ぎると、台北市の消費者保護法違反に対する罰金3万~30万台湾ドル(1041~1万408米ドル)が科される。
ソニーは、今回の不正アクセスによってクレジットカード番号が流出した「証拠はない」と述べている。あるハッカーグループが、同社から流出した220万人分のクレジットカード番号を入手しており、ソニーに買い戻させようともくろんでいるとインターネット上の掲示板で吹聴しているが、同社の広報担当者はこれを否定している。
台北市が関与するより前には、データ保護とプライバシーの確保を管轄する英情報監督官局(ICO)は、この件を調査していると発表していた。英国のデータ保護法は、個人の私的データを扱う組織に対してデータの保護を義務づけている。深刻な情報流出の場合には、最高50万ポンド(83万3290ドル)の罰金が科されることがある。ただし、ソニーがセキュリティを強化して同法を遵守することに同意すれば、罰金を回避できる可能性もある。
カナダのプライバシー委員会もまた本件に対して調査を進めている、と同委員会の広報担当者が先日明らかにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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