USBで接続して利用する扇風機は、そのほとんどが小さいモータが回るだけで、従来はほんの少しの涼しさを得て、とても冷房のかわりになるものではなかった。
ところが数年前から高性能なファンを用いて十分な風量を持った製品が登場している。リビング扇と呼ばれる床置の一般的な扇風機に比べれば風力が小さいのは仕方ないが、自分ひとり分だけ涼しさを調整したり、自分の周りにこもった熱を循環したりする程度なら問題ないくらいの風量を備えている。
そのひとつがシグマA・P・Oの製品で、PC内部の冷却に使うような本格的なファンを使った「USBどこでも スゴ扇風機(UMF01RWH)」がある。このシリーズは最初に小型ファンを使った製品が登場し、後に大型ファンを搭載した製品も追加された。さらに2011年の新型は小型ファンモデルの風量をアップさせる進化を遂げている。
小型ファンで風力が大きいので少し音が大きいが、これを補助的に使うことにより、部屋全体の冷房設定を弱めることができるほか、冷房の使用時間を減らすこともできる。
これらは本来PCのUSBポートに接続するものだが、ノートPCでピークシフト機能を使っている場合にUSBポートから電力を横取りしてしまうのはナンセンス。できればUSBバッテリなどを活用して、PCのバッテリに影響を与えずに使いたい。そこで、ピークシフトと絡めてUSBバッテリで扇風機を駆動してみた。
USBバッテリでどれくらいの時間使えるか試してみると、三洋電機の「KBC-L2BS」、ソニーの「CP-A2L」ともに4~5時間というところ。カタログによるファンの消費電流は500mAなので、計算上はもう少し長い時間回って欲しいところだが、サンヨー、ソニーともにバッテリの蓄電容量が減ってきて安定電圧が供給できない場合には電源供給をカットしてしまう特性がある。
一方、ムーブオンのPES-8800Sは出力電圧が多少不安定になっても出力し続ける特性を持っているようだ。元気にファンが回っている段階では10時間ほど持ち、その後はファンの回転は落ちるもののスタートから約20時間くらいまで回っていた。
また、ファンはこの製品だけではない。ノートPCの冷却がメインの用途だが、ファンとしての利用も可能だというシグマA・P・Oの「USBマルチノートクーラー(UMF04)」はスタンドを立てることで5段階の角度で扇風機としても利用できる。
絶対的な風量は扇風機に劣るものの、自分ひとりだけ温度調整をしたい場合に有効だ。冷房設定温度が高くなると予想される2011年の夏だけに、この手のファンをパーソナルな扇風機として使うことで夏を快適に過ごせそうだ。
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