NTTドコモは4月28日、2011年3月期(2010年4月~2011年3月、米国基準)連結決算を発表した。営業収益(売上高)は前年同期比1.4%減の4兆2242億7300万円、営業利益は同1.3%増の8447億2900万円、純利益は同0.9%減の4904億8500万円となった。
移動通信事業での1契約あたりの月間平均収入(ARPU)で見ると、音声収入が1983億円減少しているが、パケット定額サービスの普及などによりパケット収入は1060億円増加した。これにより、2011年3月期にパケットARPU(2540円)が音声ARPU(2530円)を上回っている。2012年3月期は、パケット収入増やコスト削減で音声収入減を補い8500億円の営業利益を確保できると予想する。
通期でのスマートフォンの販売実績は252万台となった。NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は「2011年度は600万台を目指す」と販売目標を掲げる。今後は携帯電話向けとスマートフォン向けのサービスの統合を進めるほか、そのための社内体制の再構築やコールセンターのスマートフォン対応者を拡充するとした。
年々増加する通信トラフィックには、LTEサービス「Xi」のエリア拡大や通信速度規制、データオフロードによって対応する。特にXiに関しては、夏にXiに対応したモバイルWi-Fiルータを発売するほか、秋から冬にかけてXi対応のスマートフォンとタブレット端末を発売する予定。端末ラインアップを充実させることで、2011年度に100万契約、2014年度に1500万契約を目指すとした。提供エリアは、7月までに札幌、仙台、金沢、高松、広島、福岡の主要6都市に拡大する。
3月11日に発生した東日本大震災により使用不可能となっていた4900局の基地局は4月26日時点でほぼ復旧しているという。また、福島第一原発から約25km離れた基地局に高性能アンテナを設置することで、20km圏内のエリア化も実現した。そのほか、被災地での端末の無料貸出や無料充電コーナーの設置などを実施している。
山田氏は「(震災発生時)多くのご迷惑をおかけをしたことを心からお詫び申し上げしたい。全力で復旧作業をしてきた結果、ほぼすべてのエリアが復旧できた」とコメント。今回の震災を受けて新たな災害対策を実施することを発表した。
まず、広域災害や停電時に人口密集地での通信を確保するため、通常の基地局とは別に半径約7kmをカバーする「大ゾーン基地局」を構築する。各都道府県に2カ所ずつ設置し全国で約100カ所に設置する予定。ただし人口が密集している東京には5カ所、大阪には4カ所設置される。
また、都道府県庁、市区町村役場などの通信を最低24時間確保するためにエンジンによる約800局の基地局の無停電化と、約1100局のバッテリーの24時間化を推進する。2011年度内に、音声ファイルをパケットネットワークで伝送するサービスも提供する予定だ。
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