Appleのクラウド型音楽サービスは、無料で利用できるものだと期待しない方がいい。少なくとも、永遠に無料のまま、というのは望み薄のようだ。
筆者が音楽業界内の情報筋から聞いた話によると、Appleは、最初は同サービスを無料で提供する可能性を示唆したが、いずれは有料化する計画だという。Googleもまた、同様のサービスに課金するのではないかとみられている。
Billboardの記者、Ed Christman氏は2010年9月、Googleが同様のクラウドサービスで年間25ドルの利用料を課金する案を考えていると報じた。一方、ブログWayne's Worldは2011年3月、Appleは年間20ドルを課金するだろうと報じたが、筆者が聞いた限り、Appleが出してくる条件について誰も確信がないようだった。Appleへ取材を申し込んだが、広報担当者からの返答はなかった。
AppleとGoogleはともに、ユーザーが保有する楽曲を自社のサーバにアップロードできるようにするため、4大レコード会社と1年以上前に交渉を開始した。アップロードされた楽曲は、インターネットに接続されたデバイス上でストリーミング再生できるようになるといわれている。この種のサードパーティーによるコンピューティングサービスは、クラウドと呼ばれている。
この先注目が集まるのは、オンライン音楽ストアを運営する各社が、消費者、特にアーリーアダプター(CNETの読者も該当するだろう)が料金を払いたいと思えるほど魅力的なクラウド音楽サービスをどうやって構築できるか、という部分だろう。サブスクリプションサービスは今のところ、デジタル音楽市場で大きなシェアを獲得するには至っていない。消費者が楽曲を借りるよりも自身で所有する方を好む傾向があることは、一般に認められている。また、こうしたクラウドは、消費者がすでに所有している楽曲へアクセスすることに対してウェブストアやレコード会社が課金する手段になる、と疑う向きもいる。
音楽業界は、比較的安価な月額利用料で楽曲に無制限にアクセスできるなら、消費者は納得して支払ってくれるだろうと期待している。現在、音楽を合法的に所有するには、1曲につき1ドルかそれ以上を支払う必要がある。業界の意思決定者らは、映画に関して結論が出たのとちょうど同じように、所有することで最良の見返りが得られるわけではない、との結論に至ることを望んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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