ウェブアプリケーションを使うときの主要な手段は、伝統的なウェブブラウザであるべきか?
Microsoftの研究者は、「ノー」だと思っている。研究者らは現在、新しい選択肢として、HTMLベースのアプリケーション向けの拡張性のあるプラットフォーム「C3」を構築中だ。Microsoftの研究者はワシントン大学の研究チームとともに、オレゴン州ポートランドで2011年6月に開催されるカンファレンス「WebApps '11」でこのC3を披露する計画だ。
(私の情報筋によると、C3は「Cloud Computing Client」の略かもしれないとのことだ)
C3プロジェクトについてのうわさは、2010年11月にMicrosoftの開発者が技術ペーパー「Verified Security for Browser Extensions(ブラウザ拡張向けの認証セキュリティ)」を発表したときにさかのぼる。同技術ペーパー中、「タイプセーフかつ管理された言語で開発されたHTML5実験用の最新のプラットフォーム」としてC3という言葉が使われており、言語はC♯と明記されていた(同技術ペーパーの後半部分でも、「リサーチ用のウェブブラウザ」としてC3が紹介している)。
その後、C3に関する新しい情報が出てきている(WebApps '11用の完全形のペーパーはまだ公開されていないが)。ワシントン大学のある研究者は、以下のように記している。
ウェブクライアントの研究と実験のためのHTML/JS/CSSプラットフォーム、C3を紹介したい。C3は新しい拡張ポイントを導入して既存の拡張ポイントを広く適用し、これまでよりもシンプルかつパワフルなカスタマイズの機会を作るものだ。さらには、タイプセーフなモジュラーアーキテクチャを利用することで、ウェブおよびブラウザのリサーチに対する障壁を低くする。柔軟性を実現するにあたって、われわれはC3の設計に関する決定を議論、評価し、われわれが構築したものや外部で構築されたさまざまな拡張に向けた例を提供する。
以下は、ワシントン大学工学部のウェブページにあるC3プロジェクトの記述だ。
ウェブアプリが、ウェブブラウザのページナビゲーションの特徴に本質的に制限される必要はないはずだ。なおかつウェブブラウザは、単にコンテンツをレンダリングするにとどまらない機能を持つものだ。
MicrosoftからはWolfram Schute氏とHerman Venter氏がC3チームに加わっており、拡張という概念の下で多くの作業を行っているようだ。こう聞くと、C3は、「Xax」という別のMicrosoft Researchのプロジェクトと関係あるのではないか、と考えてしまう。
Microsoft Researchのウェブページでは、Xaxを次のように説明している。「Xaxはブラウザプラグインモデルで、開発者は既存ツール、ライブラリ、それにプログラム全体を活用して、豊富な機能を持つアプリケーションをウェブ上で配信できる」「Xaxは、セキュリティ、OS非依存、パフォーマンス、レガシーコードのサポートをひとまとめにして提供するメカニズムを組み合わせたものだ」。
Microsoft Researchの研究者らは、ブラウザ/HTMLベースのアプリ主導のプロジェクトも複数展開している。以前このブログで紹介した「ServiceOS/Verve」も、その1つとなる。
アップデート:Microsoftのプラグインに対する執着について理解したい読者は、Internet Explorerチームが掲載したアドオンと「IE 9」の信頼性に関するブログ記事を参照されたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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