Microsoftが「Silverlight」戦略を変更していることについて10月末にブログで書いたが、これについてSilverlight開発者と顧客から懸念や怒りが噴出している。
わたしの記事の後に、Silverlightは死んだという解釈の記事が他から出て、これを読んだ人たちが不快に感じたようだ。わたしはそのように書いていないし、「Professional Developers Conference(PDC)」でインタビューしたMicrosoftのサーバ&ツール部門プレジデントのBob Muglia氏もそうは言っていない。
騒ぎを沈静化させようとMuglia氏は米国時間11月1日、Silverlight Team Blogに記事を掲載している。
Muglia氏はここで、PDCにて自分がSilverlightについて語ったことをまとめたインタビュー記事は「正確な報道だ」と記している。そして、MicrosoftはSilverlight最新版の開発に取り組んでおり(クロスプラットフォーム対応となる予定)、Silverlightは「Windows Phone」と「Windows」市場の開発者にとって今後も重要であることを再確認している。
Muglia氏はまた、Silverlightはメディアやエンタープライズアプリケーションに適した開発プラットフォームだと再度強調する。「SilverlightはリッチなUIフレームワークを提供し、これを利用してスムーズなアニメーションが可能になる。これは、タッチ入力と組み込み端末に役に立つものだ」とMuglia氏は記している(つまり、Windows Phoneと組み込み端末向けであり、スレートやタブレットではないという意味だ)。
さらには、わたしも記事で書いたように、Microsoftはさまざまな端末上で単一のランタイムをインストールするにあたっての最善な方法としてSilverlightを見ているのではない、とも述べている。ここでは、MicrosoftはHTMLにフォーカスする予定だ。以下にMuglia氏のブログから引用する。
最後に、さまざまなベンダーがオープンまたはクローズドなシステムで幅広く多様な端末を提供しており、これが急増しているという状況がある。われわれがSilverlightを開始したとき、独自性が強いインターネット対応端末は比較的種類が少なかったため、われわれはこれらの端末に向けて最も一貫性があり、最もリッチなエクスペリエンスを提供することを目標とした。しかし、状況は変わった。その結果、単一のランタイム実装をあらゆる(将来登場するものも含む)端末にインストールしておくことは、現実問題として不可能となった。Microsoftでは、これらの端末に幅広くクロスプラットフォームにリーチできるのはHTMLだと考えており、Windowsが動く端末上で世界最高レベルのHTML実装を構築することにコミットしている。PDCでは、IE 9(「Internet Explorer 9」)におけるこの部分での成果を披露した。
Microsoftのウェブ設計/実装プラットフォームとしてのSilverlightに賭けてきた人にとって、これは何を意味するのだろうか?まだ完全に明らかになっていない。
Microsoftが当初約束し、周囲も予想していたように、同社は今後も「Android」などの新しいプラットフォームにSilverlightをポーティングするのだろうか?SilverlightがAppleの「iOS」で利用できるようになることはあるのだろうか?Microsoftも、SilverlightからHTMLへ変換するツールのようなものを提供する予定はあるのだろうか?HTML向けの新しい開発ツールを導入する計画はあるのだろうか?あるとすれば、いつなのか?これらの質問に対して、Microsoftからの回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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