The Wall Street Journal(WSJ)の報道によると、Appleの「iPhone」による位置データの収集は、位置情報サービスの機能を無効にしても行われているという。米国のメディア各社は、AppleのiPhoneと3Gを搭載した「iPad」が位置データを追跡し、デバイス上のセキュリティ保護されていない場所に保存しているとする最近の報道について分析している。
WSJが実施したテストでは、位置情報サービス(デフォルトは有効)をすべて無効にしたとしても、位置データ収集は停止されないという。
このデータは「consolidated.db」という名称の追跡ログファイルに記録され、iPhoneに保存される。WSJによれば、位置情報が収集されてiPhoneに保存されてはいるものの、その情報がApple(または何らかの受信者)に送信されている形跡はないという。
とはいえ、論議はおさまっておらず、当該ファイルやそのなかの情報がどのように使用されているかについて、複数の国で政府の調査を開始させる結果となっている。アナリストや技術分野のブロガーの多くは、このファイルは不注意によって「iOS」に残されたものだと考えており、おそらく位置情報サービスのテストに使用されたもので、iOSの公式リリース前に削除されるはずのものではなかったかとの見方を示している。
確かにその可能性はあるかもしれないが、「consolidated.db」ファイルの存在が公に明らかになったのは2010年のことだ。当時は不思議なことにほとんど反響を呼ばず、Appleによる対応もなされなかった。今また、この件に新たな注目が集まっている以上、OSのアップデートでこのファイルを削除するなど、断固としたすばやい措置を取ることがAppleに期待されている。
実際、米国ではEdward Markey下院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)が対策を求める声をあげ、Al Franken上院議員(民主党、ミネソタ州選出)がSteve Jobs氏に回答を求める書簡を送ったのに加え、韓国や一部の欧州諸国では、Appleが位置情報データを収集している意図についての懸念から調査を開始したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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