Joahua Blake氏は米国時間4月18日、Microsoftが提供予定の「Kinect」向けソフトウェア開発キット(SDK)をオープンソース化する計画だとわたしにツイートで知らせてくれた。そのとき、わたしはこの情報が気になってメモしていた。
Blake氏はOpenKinect Communityの創始者で、InfoStrat Advanced Technology Groupで技術ディレクターを務める。Microsoft Surface担当のMVP(Most Valuable Professional)でもある。
Blake氏は、先日ラスベガスで開催されたMicrosoftのMIX11カンファレンスで、Microsoft ResearchのNUI(Natural User Interface)担当ディレクターのKristin Tolle氏から得た情報をブログで報告した。そこでBlake氏は、3日目の質疑応答セッションで、MicrosoftがKinect SDK(非商用のベータ版「今春」の公開予定となっている)をオープンソース化する計画であるとTolle氏が述べた、と記している。
Tolle氏がKinect SDK全体のことを指していたのか、一部だったのかはわからないし、Microsoftがどのオープンソースライセンスを使うつもりなのかについても明確ではない。
しかし、Microsoftは結局、Kinect SDKをオープンソースにしないことが判明した(少なくとも、Microsoftの関係者が18日午後、わたしにそう語ったのだ。Tolle氏のコメントについての説明はなかった。以下が、Kinect SDKチームの広報担当者からの声明だ。
Kinect for Windows SDKはオープンソースとしては提供されない予定だ。われわれは同SDKのソースコードは一切公開せず、バイナリで提供するつもりだ。SDKの提供は、Kinectの機能を使った非商用ベースの実験を容易にすることのみを意図している。
TwitterでBlake氏とやりとりしたところ、Blake氏はMicrosoftがオープンソースとバイナリをどのように区別しているのかについて推測している。
Tolle氏の発言が報じられたとしても、Microsoftの広報担当者から上記のような回答をもらった上で考えると、わたしはMicrosoftがSDKの何らかのコンポーネントをオープンソースとして公開するつもりだという話はかなり疑わしいと思っている。
しかし、もし過去から何かを学ぶとすれば、Kinectに「絶対ない」はない。Kinectセンサを他のプラットフォームや端末で動くようにハックした人々の動きに対し、Microsoftは当初起訴しようとしたが、その後同社の幹部はトーンを変え、Kinectプラットフォームでさまざまな実験をする動きを歓迎した。2011年に入ってからは、Kinect SDK for Windowsを1種類ではなく、2種類提供する計画だと述べた(1つは愛好家、学術、非商用向け、もう1つは商用向け)。
もう1つ特記すべき点として、Microsoftはこの1年余りの間、多くのオープンソースプロジェクトを社内にとどめるのではなく、Outercurve Foundationに寄贈していることが挙げられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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