ラスベガス発--Microsoftは、「Kinect for Windows」のソフトウェア開発キット(SDK)の詳細を、興味深い方法で公開した。テクノロジエヴァンジェリストのClint Rutkas氏は、車輪や配線、同社のゲーム「Xbox 360」用のモーションコントローラKinectなどを使って、ラウンジチェアを急遽作った。そして、身振り手振りだけを使ってこのラウンジチェアを動かし、Microsoftのウェブおよび携帯電話開発者向け年次カンファレンス「MIX11」のステージ上に乗り入れた。
しかし、KinectのSDKが最終的にもたらすビジネスは、決して些細なものではないだろう。このSDKによって、ソフトウェア開発者は、モーションセンシングと身振り手振りを使うアプリケーションを作成する手段を手にする。一方Microsoftは、巨額の利益として返ってくるようなアイデアが生まれるのを期待している。
会議を開いたときに、プレゼンテーションを手元のマウスではなく、身振り手振りで先に進めることもできるだろう。あるいは、電話ビデオ会議の際に、さまざまな発言者に合わせてカメラアングルを変えられるデバイスも実現するかもしれない。そして、Microsoftがいずれ、「Microsoft Office」などの製品に搭載するアプリケーションを考え出すことは間違いない。
開発者がこのテクノロジを積極的に受け入れて、巧みで便利な作品を考え出せば、Microsoftは利益を得ることになる。それもかなりの利益になるだろう。
「意義深いビジネスになり得ると思う」と言うのは、Microsoft Researchのディスティングイッシュトサイエンティストで、このプロジェクトを監督しているAnoop Gupta氏だ。2010年度に625億ドルの売り上げを得ているMicrosoftにとって「意義深いビジネス」といえば、普通は売上額にコンマがいくつもつくことになる。
Microsoftが、いわゆるナチュラルユーザーインターフェースを実現するこのテクノロジをライセンスするのはそのためだ。ソフトウェア開発者は、Kinectテクノロジを使ったアプリケーションを開発するために、Microsoftにライセンス料を払うだろう。そしてコンピュータのスクリーンモニタメーカーも、自社製品にKinectテクノロジを搭載するためにライセンス料を払う可能性が高い。
「ハードウェアとソフトウェアの両方にビジネスの機会がある」とGupta氏は語る。
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