台湾を拠点とするコンピュータメーカーAcerは米国時間3月31日、同社の最高経営責任者(CEO)が、同社の将来について取締役会と意見が折り合わず、辞任したと発表した。
Acerの声明によると、2008年から同社のCEOを務めてきたGianfranco Lanci氏は、同社が進めている戦略について取締役会と意見が折り合わなかったという。
「同社の将来の開発について、Lanci氏の見解は大多数の取締役会役員と異なり、数カ月間の話し合いを持ったが同意に至ることができなかった」と声明には記されている。「(双方は)規模、成長、顧客価値創出、ブランド地位の強化、リソース配分、実装方法について、割り当てる重要度レベルが異なった」(Acer声明)
正式な後任が決まるまでは、同社の会長を務めるJT Wang氏が、CEOの職を引き継ぐ予定である。
Wang氏は声明で、「PCは、今後もわれわれの事業の中心である」と述べた。「われわれは強力な基盤を構築済みで、引き続きその分野、特に商用PCの分野での拡大を図るつもりである。これに加えて、新しい携帯端末の市場にも参入しており、今後慎重に投資し、その市場における主要なメーカーの1つになることを目指すつもりだ」(Wang氏)
Wang氏の声明からは、Lanci氏がどのような点で他の取締役会役員と折り合わなかったのかが垣間見られるかもしれない。Lanci氏は、Acerがより積極的に、携帯端末やタブレットといったモバイル市場へと参入するべきだと強く主張していた。
特にタブレットは、高い成長の可能性を秘めた製品カテゴリである。サムスン、Motorola、Appleといった企業が独自の製品を開発して、すでにこの市場に参入している。Acerも2011年2月、同社初のタブレットPCを発表した。同社は2011年中に、数種類の新モデルを発売することが予測されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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