ウェブ性能の分析を手がけるBlaze Softwareが、「Android」を搭載するハイエンドスマートフォン(サムスンの「Nexus S」)は「iPhone 4」よりウェブブラウジングが高速だとする調査結果を発表した。これに対しAppleは、調査方法に大きな問題があるとしている。
Blazeは「Fortune 1000」企業のウェブ4万5000ページを3G通信とWi-Fiで読み込む調査を行い、AndroidフォンがiPhoneより速いとの結論を出した。このテストでは、Nexus Sの方が平均して52%速く、84%のサイトでiPhone 4を上回った。
Appleはこれを、意味がない調査だとしている。
Appleの広報担当者Natalie Kerris氏は次のように語る。「テストに不備がある。iPhone上の『Safari』を実際にテストしているわけではない。プロプライエタリな独自アプリをテストしただけであり、そこで用いられている埋め込みウェブビューアは、Safariにあるウェブ性能の最適化を活用していない。・・・テストにこの根本的な欠陥があるにもかかわらず、ウェブページの読み込みでは平均で1秒ほどの違いしか見られない」
Blazeが調査に使ったのはSafariそのものでなく、系統が近いプログラミングの仕組みだということから問題が生じている。ウェブコンテンツをアプリに埋め込む「UIWebView」というAppleの技術を使ってカスタムアプリを作り、それでウェブサイトのテストを行ったと、Blazeは説明している。しかしこのUIWebViewには、「iOS 4.3」でSafariに施された改良の一部が活用されていない。
例えば、モバイルウェブプログラミングに関する著書があるMaximiliano Firtman氏によると、ウェブ上のJavaScriptプログラムを実行する新しい「Nitro」エンジンが使われていないという。また、Ars Technicaによると、ウェブページの要素がほかの要素を妨げることを防ぐ、要素の非同期読み込みが用いられていない。ほかにも、キャッシュ技術の一部は、SafariにはあるがUIWebViewにはない。
新しく得られた情報を踏まえ、Blazeは結論を後退させた。最高技術責任者(CTO)のGuy Podjarny氏は声明で、米CNETに次のように答えている。
このテストは、iPhoneアプリでは唯一の選択肢である埋め込みブラウザを用いている。Appleは埋め込みブラウザにも通常ブラウザと同じアップデートを適用すると、Blazeは想定していた。実際はそうでないとすれば、またAppleの反応から考えると、埋め込みブラウザで異なる結果が出る可能性は確かにある。埋め込みブラウザにも最適化を適用するとAppleが決断したら、新たな測定結果に基づく新しい報告をぜひとも作成したい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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