Googleは米国時間3月14日、ビデオ技術「WebM」をウェブに組み込むという同社の計画における主要な弱点に対処するため、ハードウェアへの実装を目的としたバージョンの「VP8」動画エンコーダをリリースした。
WebMプロジェクトのエンジニアリングマネージャーであるAki Kuusela氏はブログ投稿で、VP8のハードウェア実装は「H1」と呼ばれているが、今回の製品は「Anthill」と命名されたと述べた。Anthillは、プロセッサが実際に命令を実行する方法に近い非常に低レベルの記述であるレジスタ転送言語(RTL)の形式が採用され、ロイヤルティフリーで使用できる。
Kuusela氏は次のように述べている。「このH1ハードウェアエンコーダは、非常に低い電力消費で高品位の動画処理を実行でき、CPUの計算処理をほとんど使用しない。H1エンコーダは、VP8ビデオエンコーディングのプロセス全体をホストCPUから解放して、(プロセッサ)上の独立したアクセラレータブロックに割り当てる。これにより、消費電力を大幅に低減させながらも、1080pの解像度の動画を毎秒30フレームで、720pの解像度を毎秒60フレームで、それぞれエンコードすることが可能になる。H1のようなハードウェアアクセラレータがなければ、最新のマルチコアのモバイルデバイスでも、VGAの動画を毎秒25フレームでエンコードする程度のことしかできず、エンコードの実行中はほかのことをほとんどできなくなる」
VP8の主な競合相手となるのは、「H.264」(「AVC」または「MPEG-4 Part 10」)と呼ばれるコーデックだ。H.264は、ビデオカメラからパーソナルコンピュータのオペレーティングシステムまで、幅広い製品でサポートされているが、特許使用許諾の要件による制限がある。GoogleはVP8とWebMによって、特にウェブにおけるデジタルビデオの障壁を低くしたいと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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