ソニーの最高経営責任者(CEO)であるHoward Stringer氏が、後継者となる可能性が高い人物の名前を挙げた。
組織改革に取り組むStringer氏は米国時間3月10日、コンシューマーエレクトロニクス分野の象徴的企業であるソニーの次期CEOに就任する可能性が高い人物として、平井一夫氏を選んだ。
平井氏(50歳)は音楽およびビデオゲーム部門で出世の階段を上り、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の社長兼CEOを務めている。SCEは、成功を収めた「PlayStation」シリーズやビデオゲーム事業を手がける子会社。平井氏は今回、ゲーム機やタイトルだけでなく、テレビやBlu-rayプレーヤー、ノートPCも含むコンシューマー事業全体のトップに選ばれた。
これは非常に重要な決定である。平井氏が同事業を率いるということは、いくつかの点で変化が起きることだけでなく、Stringer氏が最終的にソニーを離れる決断を下したときに一定の整合性が保たれることも意味する。以下では10日の発表の特に重要な点を紹介する。
ソニーの会長兼社長兼CEOであるStringer氏は、2009年のConsumer Electronics Show(CES)で自身の計画を初めて明らかにし、コンシューマーエレクトロニクスの未来はPC、テレビ、各種ガジェット、エンターテインメントの統合であることを強調した。多くのコンシューマーにとって、スマートフォンやタブレットでダウンロードしたアプリケーションを利用したり、動画や音楽を再生したりできることや、ビデオゲーム機、セットトップボックス、テレビ自体を通してウェブからテレビにストリーミング配信されるエンターテインメントコンテンツが数多く登場していることは、かなり明らかなことと言っていいだろう。
しかしそれは、2009年の時点では、必ずしも今ほど明らかなことではなかった。また、ソニーでは長い間、音楽、ビデオ、ソフトウェアプラットフォームをまたいで各部門が協力し合うことに苦労してきた。テレビ、エンターテインメントソフトウェア、PlayStation、MP3プレーヤー、ノートPC「VAIO」など、すべてを1つの組織と1人の経営者の管理下に置くことは、実際には企業全体の競争を促進することにつながる。それによって、ソニーにおけるStringer氏の遺産を守ることができる。
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