ソニーは2月3日、2011年3月期第3四半期(2010年10〜12月)の連結業績を発表した。為替の悪影響を大きく受けたものの、ゲーム事業などが好調で、前年同期比では若干の減益に止まったという。
売上高は前年同期比1.4%減の2兆2062億円、営業利益は同5.9%減の1375億円、当期純利益は同8.6%減の723億円となった。
セグメント別では、ネットワークプロダクツ&サービス分野が営業利益で同134.9%増の457億円となり、増益に大きく寄与した。ゲーム機「PlayStation 3」のコストダウンと、ゲームソフトの売上増が大きな要因で、ゲーム事業は今回で5四半期連続で黒字化を達成したとしている。
しかし、主力であるコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野は、売上高が同4.2%増の1兆909億円と増収になったものの、営業利益は同508億円から268億円へと落ち込んだ。
液晶テレビ、レンズ交換式一眼カメラなどの販売台数は増加したが、単価下落、販売費と一般管理費の増加などにより、増益に結びつかなかったとのこと。構造改革費用の118億円を計上したことも影響している。また、液晶テレビに関しては、今期も黒字化に至らなかった。
執行役EVP CFOの加藤優氏は「ソニーでは、2009年度に液晶テレビを1500万台強販売しており、2010年度は2500万台を目標に取り組んでいる。現在の見通しでは、台数が若干届かず2300万台程度」と、テレビ販売の現状を話した。
また、ソニー・エリクソンに対しては「2010年にスマートフォン『Xperia』を発売して以来、しばらくAndroid OSの商品を出していなかったが、1月のCESで『Xperia arc』を発表した。この製品は液晶テレビの『BRAVIA』と連携できるなど、商品としての評価が高い。グループ全体でモバイルとの連携を強めてやっていきたい」(業務執行役員SVP広報センター長の神戸司郎氏)と期待を寄せた。
今後の事業展開に関しては「ネットワーク系のモバイルは大変重要な事業領域。ソニー・エリクソンのスマートフォンやPCのVAIOを中心に取り組んでいるが、今後はソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代携帯ゲーム機『NGP』や、電子書籍端末『Reader』なども入ってくる。多面的にモバイルネットワーク分野を攻めていきたいと考えている」(加藤氏)と話した。
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