ソニーは1月27日、東京で開催のイベントで新しい携帯ゲーム機「Next Generation Portable(NGP)」を発表するとともに、その内部について明らかにした。今回明らかにされたゲームエンジンを言い表すなら、強化されたAppleの「iPad」という表現がぴったりかもしれない。しかも、それは大幅な強化である。
iPad(と「iPhone」)と同様に、ソニーもARMプロセッサ設計を使用する。もちろん、ARMチップを採用している大手デバイスメーカーは、ソニーとAppleだけではない。Motorolaはタブレット「XOOM」でNVIDIA製の高性能ARMチップを使用しており、Research In Motion(RIM)のタブレット「BlackBerry PlayBook」もTexas Instruments製の強力なARMチップを採用する予定だ。いずれもデュアルコアのARM設計である。
しかし、これらのデバイスや、うわさの「iPad 2」のエンジン部分でさえも、ソニーのNGP(2011年ホリデーシーズンに登場予定)と比べると、処理速度という点で見劣りしてしまう。
ソニーの「次世代携帯型エンタテインメントシステム(Next Generation Portable Entertainment System:NGP)」のスペック表を紹介しよう。優れた性能が簡潔に書かれている。CPUは「ARM Cortex-A9 core(4core)」で、GPUは「SGX543MP4+」だ。
つまり、4つのプロセシングコアを持つ高性能ARM CPUと、同じく4コアで高性能のImagination Technologies製GPUを搭載ということだ。
チップコンサルティング企業Linley Groupの主席アナリストであるLinley Gwennap氏は、「まさに最先端だ。ほかにもクアッドコアが登場し始めている。(NVIDIAの)『Tegra 3』もクアッドコアになるはずだ」と述べている。NVIDIAのTegra 3は2月のMobile World Congressで発表される見通しだ。
処理速度はどれほどのものになるのだろうか。Linley GroupのシニアアナリストであるJoe Byrne氏は「ソニーが消費者に提供しようとしているこのモバイルデバイスは、CPUとGPUの性能が『iPhone 4』の約4倍になる」と述べる。
だが、この性能の高さ故に生じる問題もある。というのも、従来のARMは1つのプロセシングコアをベースにした、極めて省電力性の高いアーキテクチャだったからだ。しかし今回、その設計が4つのコアに拡大されようとしている。「2つ問題がある。1つは発生する熱で、もう1つはバッテリ持続時間だ。(4コアのプロセッサを)タブレットやスマートフォンに搭載した場合、ウェブページを呼び出して4つのコアを作動させ、レンダリングを実行した後に、それら(4つのコア)を再び停止させることになるかもしれない」(Gwennap氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果