かつては、代表的なフラクタルであるマンデルブロ集合の探求にスーパーコンピュータが必要だった。だが今やGoogleは、このシュールな数学的図形を最高のパフォーマンスや極めて繊細な陰影で描画できるわけではないが、ブラウザが昔のスーパーコンピュータを凌ぎ得ることを示すウェブアプリケーションを作り出した。
これは「Julia Map」と呼ばれるプロジェクトで、比較的新しいウェブ標準である「Web Workers」を採用している。Web Workersによりブラウザは、いわばブラウザの思考の前面において比較的平凡なユーザーインターフェース作業をこなし、それと並行して、バックグラウンドで処理タスクを実行できる。
マンデルブロ集合は、ジュリア集合と呼ばれる別のフラクタルと近い関係にある。Googleのアプリケーションでは、それぞれの集合を多様な形状で表示する。このアプリケーションでは、ウェブプログラミング言語にJavaScriptを使用して、実際の数値演算を行っている。
Googleのプログラマー、Daniel Wolf氏は米国時間1月31日のブログ投稿で、このアプリケーションはまた、HTML5の「canvas」要素を使用して2D図形を描画するほか、「Google Maps」のインターフェースを用いてズームとパン(ドラッグ移動)を制御すると述べた。
Julia Mapサイトの説明には次のように書かれている。「各ピクセルは、一連の数字および級数の収束または発散の計算を必要とする。個々の画像は通常、数百万の数字で構成される。現在のブラウザでは、ジュリア集合などのフラクタルを数秒間で描画できるほどにまで、JavaScriptの実行を最適化している」
プログラマーたちがブラウザにできることを発展させようとしているのに伴い、ウェブアプリケーションの人気は過熱している。Microsoftの「Internet Explorer 9 Test Drive」もその一例だ。だが先進的ウェブアプリの多くは、実際に役立つアプリというより、宣伝用のデモ版が多い。その中でMozillaのウェブゲームコンテストでは、平均的なユーザーが比較的楽しめそうなアプリの例をいくつか提供している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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