USB 3.0には、外付けハードドライブとカメラ以外にも多くの用途が考えられる。コンピュータとメディアプレーヤーや携帯電話の間で音楽や動画をより高速に同期できるようになるだろう。スキャナからコンピュータへの動画の転送も速くなるかもしれない。携帯電話などのデバイスの充電器の規格が統一される可能性もある。実際に欧州では、Micro USBインターフェースで充電器を標準化する取り組みがなされている。外付けディスプレイをPCだけでなく携帯電話にもより簡単に取り付けられるようになるかもしれない。またUSBでは、コンテンツ所有者が求める著作権保護技術HDCPを使用できるし、USB-IFは動画をより使用しやすくするための新しいUSBプロファイルの策定に取り組んでいる。
USBを提唱する人々が、過去の成功に甘んじて、未来の成功が保証されていると思い込む誘惑にかられるとしたら、USBについて1つ警告しておくことがある。それはワイヤレスへの移行という問題だ。
Wireless USB規格は数年前に完成したが、Wi-FiやBluetoothでデバイスをワイヤレス接続することがよく知られるようになった今でも、あまり知られておらず、製品にもほとんど採用されていない。
しかしWireless USBについてもRavencraft氏は、「大げさにもてはやすつもりはない」としながらも、ある程度楽観視している。
Wireless USBが直面していた障害は、各国が使用できる周波数にさまざまな規制を設けていること、2つのデバイスの間でワイヤレス接続を許可することが難しかったことだ。
しかし今では以前より容易に接続できるようになり、6GHz周波数帯を使用した新しいワイヤレス通信技術UltraWideBand(UWB)がWireless USB 1.1で採用されたことから、同氏はある程度楽観的に考えている。
デバイスメーカーは「今や世界各地に対応できる製品を設計する能力を備えている」とRavencraft氏は言う。またWireless USBの便利な用途が生まれつつあることから、ある程度普及が促進される可能性がある。「リビングルームでケーブルを這わせることなくノートPCとテレビのディスプレイを簡単に接続できる」という用途だ。
とはいえ、本当に定着するかどうかは未知数だ。Ravencraft氏はもちろん、何かを約束しているわけではない。
「ワイヤレスのその領域では、同じことをするにも非常に多くの方法がある。Wi-Fi、Wi-Fi Personal Area Network(PAN)、Bluetooth、ZigBee、Wireless USB、WiMAX、WirelessHD、これらはいずれも同じ領域に属しており、ハイエンドとローエンド両方に対応しようとしている。今後ある程度淘汰されていくと思う」(Ravencraft氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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