市場に登場した最初のUSB 3.0製品は、データ転送速度向上のメリットが明らかな外付けハードドライブと、USB 3.0がサポートされていないマシンにそのようなデバイスを接続するためのPC用拡張カードだった。今ではサムドライブなどの大容量ストレージデバイスがはるかに多く登場してきている。現在までに合計165の製品がUSB-IFの認定プログラムに合格した。また、ハイエンドカメラメーカーのPhase Oneは米国時間1月25日、同社の新しい80メガピクセルの中判デジタルカメラ用センサモジュール「IQ180」で、USB 3.0を使用して80Mバイトの写真を転送できると発表した。
しかし、USB 3.0を内蔵の製品がさほど早く市場に登場しているわけではない。USB 3.0に対応するIntelのチップセットが登場するのは、早くても2011年の後半以降になるとみられており、現実的には2012年になる可能性が高そうだ。仕様がUSB-IFに提出されてから、PCハードウェアという領域に完全に組み込まれるまで、優に3年以上かかることになる。
とはいえ、新規格での相互接続はエンジニアリングが容易ではない。特にUSBは広く普及しておりコストの制約があるからだ。Intelは、2007年にUSB 3.0を提案したとき、高速転送を実現するために光ファイバリンクに対応する意向だと述べていた。2008年、その光技術の野望は文字通り「Light Peak」とIntelが呼ぶ技術に移行し、改変したUSBコネクタを都合よく活用した。その後Light Peakの初期バージョンは光ファイバリンクではなく銅線ケーブルを使用することとなった。
それでも、実際に普及すれば、USBにはその後もある程度成長の余地がある。
Ravencraft氏が挙げる理由は、第1に、通信を制御するプロトコル自体が、現行のUSB 3.0よりも5倍速いスピード、つまり1秒あたり25Gビットを達成できるように設計されていることだ。大量のUSB通信を処理するUSB 3.0のホストコントローラも、再設計しなくてもそのスピードで動作するという。
第2に、USBコネクタは光ファイバ回線に対応できることだ。
「光に移行する必要があるならば、将来コネクタが光ファイバに対応できるようにしている。その必要が生じれば、簡単に移行できるだろう。今すぐそうなるとは思わないが」(Ravencraft氏)
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