Cook氏はある程度の時間をかけて、特定の事業部門の将来についても語り、Appleには今後数年間でさらに成長し、競合他社からビジネスを奪っていく余地があることを強調した。
「Mac事業は好調だったが、巨大なPC市場全体から見れば当社のシェアはまだ低いほうだ。そこには大きな(成長の)チャンスがある」(Cook氏)
同じことがスマートフォン市場にも当てはまると同氏は述べ、「携帯電話市場でのAppleのシェアは低いほうだ」とした。Gartnerによると、世界全体では「Symbian OS」を搭載した携帯電話が最も多く使用されており、2010年第3四半期時点で37%のシェアを有するという。「Android」搭載携帯電話のシェアは25%、Appleの「iOS」は17%だ。
iPadについては、Cook氏の口ぶりは非常に明るい。おそらくは、現在タブレット分野では競争が非常に少なく、2011年に数多く登場する予定のAndroid搭載タブレットに対し、Appleが大きく先んじているためだろう。
Cook氏は、現在発売中のAndroid搭載タブレット群を「異様」で「スマートフォンを大きくしたもの」と呼び、先日CESで発表された機種をほとんど「実体のないもの」と切って捨てた。しかし、Appleは「黙って手をこまねいているつもりはない」ことをCook氏は強調した。この言葉は、今後2〜3カ月以内の発表がうわさされる待望の新型iPadのことを言っていると考えてよいだろう。
「われわれは非常に大きな市場、急速に変化する市場にいる。これまでで最高の製品を作り上げた。また、非常に優れた製品パイプラインを有しており、大いに自信を持っている」(Cook氏)
18日、Appleに対する金融界の信頼も回復した。同日朝には20ドル下落した株価が、高業績の決算発表のニュースを受けて上昇した。Appleの株価は時間外取引で1.25%上昇して344.90ドルとなっている(本稿執筆時点)。
とはいえ、Appleの動向を追う人々の多くが心配するのは、現在の製品を更新し改良する能力や、過去数年間に立案された計画を実行する能力ではない。それよりも、Jobs氏のいないAppleを思い浮かべたときに心配になるのは、今後Jobs氏がフルタイムでAppleの業務に復帰しないことを決めた場合に、Appleが得意とする業界に変革をもたらす製品を、今後2年、5年、10年先まで、Jobs氏なしで生み出し続けることができるのかどうかだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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