Appleの動向を追っている人の頭には、「Jobs氏はいつ復帰するのか」「復帰しなかったらどうなるのか」という2つの疑問が浮かんだはずだ。
しかし、米国時間1月18日に開催の金融アナリスト向け決算発表の電話会議では、17日に発表されたJobs氏の病気療養休業について、またJobs氏がいなくなった場合の将来について誰も直接的な質問はしなかった。とはいえ、Jobs氏の不在中にAppleの事実上のリーダーを務める同社最高執行責任者(COO)Tim Cook氏はその2つの質問を予期していた。
Cook氏は、アナリストから将来の製品計画に関するスケジュールについて質問を受けた際、Appleは業績好調の優良企業だとそれとなく請け合った。
「わたしから見て、Appleはこれまでで最高の仕事をしている。製品パイプラインを数多く抱えている。Appleには比類なく多様で豊かな才能を持つ人材と、Steveが推進してきた技術革新の企業文化がある。優れた仕事をすることが習慣になっている。当社の将来について大いに自信を持っている」(Cook氏)
Appleが優良企業であることを、18日に改めて言われないと安心できない人がいたわけではない。優良企業であることは数字が語っている。Appleは2年近く前から記録的な四半期決算を続けている。Appleは18日、過去最高の売り上げと利益を報告した。また、「iPhone」(1620万台)、「iPad」(730万台)、「Mac」コンピュータ(410万台)の売り上げもそれぞれ過去最高だった。同社の現金保有高は600億ドルに及び、小売店舗の来店者数が過去最高(7500万人)を記録したほか、「iTunes」での売り上げも天井知らずだ。
しかし、Jobs氏はAppleの心臓であり魂であり、同社の成功に不可欠な存在だと多くの投資家が考えている。前回2009年1月から6月までJobs氏が不在だった間、Appleの業績は好調だったが、今回はJobs氏が復帰するとしても、それがいつになるのかはっきりとした日付が示されていない。このことは、Jobs氏が今後もすべての重要な決定と企業戦略に関与するとAppleがわざわざ強調していることの説明になる。
18日の決算発表のプレスリリースにはいつものように、Appleが四半期中に行った仕事を賞賛し、同社が2011年に計画している「胸が躍るような」将来の製品について言及するJobs氏のコメントが引用されている。同社はまた、Jobs氏の療養休暇について報告する米証券取引委員会(SEC)への提出文書の中で、同氏が重要な問題に今後も関与する予定であることを強調している。
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