VerizonのiPhone 4は、同社の4G LTEネットワークをサポートしていない。これは残念ではあるが、驚くことではない。これまでの記事でも述べているとおり、Appleは最先端の技術に飛びつく企業ではない。Verizonの4Gネットワークは、まだ携帯電話の顧客には使われておらず(現状ではノートPCのユーザーしか使っていない)、Appleはこれまで通り、洗練されたユーザー体験を、確実に提供できるようにするつもりだろう。また、AppleはLTEネットワークのカバー率が上がるまで待つと思われる。一方で、VerizonでもAT&Tでも、今後4G対応モデルのiPhoneが出てくることが予想される。その場合、ユーザーは新しい端末にアップグレードする必要があるわけだが、Appleはこういったゲームの名人だ。
これまでのiPhoneと同様に、LEDフラッシュ付きの5メガピクセルカメラ、前面に付いているVGAカメラ、Bluetooth、デジタルコンパス、Retinaディスプレイ、電子メール、音声コントロール、Assisted GPS、Googleマップ、Safari、iTunes経由のアプリケーションやメディアへのアクセス、Wi-Fi越しのFaceTimeなどの機能はVerizon版でも提供されている。ただし、AT&TのiPhoneが現在iOS 4.2.1なのに対し、VerizonのiPhoneはiOS 4.2.5である点が異なる。iOS 4.2.5でどんな点が変更されているかについては確認中だ。
CDMA方式のiPhoneは、音声通信とデータ通信を同時に行うことができない。これはかなり大きな問題であり、AppleとVerizonが、発表イベントでこの点に触れることを避けたのも驚くにはあたらない。CDMA Development Groupは、CDMA方式での音声通信とデータ通信の同時使用は、2011年前半に商用利用可能になると発表しているが、米国のCDMA方式を採用している携帯会社は、この変更を実施する計画は発表していない。この問題については、今後も注目していく予定だ。
Verizon版iPhoneがGSMネットワークをサポートしていないのは残念だ。米国、カナダ、メキシコ、北米以外のいくつかの国では利用できるが、世界中を行き来している人にとっては、ローミングの機能は非常に限られたものになる。AppleとVerizonにはもっと頑張って欲しかった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」