Dirk Meyer氏がチップメーカーAdvanced Micro Devices(AMD)の最高経営責任者(CEO)を辞任した件は、成長するモバイル市場で適切な地位の開拓に失敗したことが原因だったと、The Wall Street Journal(WSJ)が報じている。
米国時間1月12日付けのWSJの記事(全文を読むには購読登録が必要)は情報筋の言葉を引用し、AMDの取締役会はこの1年間、モバイル機器向け事業拡大への熱意と関心がMeyer氏には不足しているように見えることを懸念していたと伝えている。2010年11月に開かれた取締役会の後、取締役たちはさらにいら立ちを強め、2011年1月10日についにMeyer氏を辞任に追い込んだとのことだ。
WSJは11日、Meyer氏にコメントを求めたが連絡がつかなかったという。
Meyer氏は2008年7月、AMDがIntelの陰で市場シェアを獲得しようと苦心していた時期に、Hector Ruiz氏からCEOの座を引き継いだ。2年半にわたるMeyer氏の在任期間中、AMDは組織再編とレイオフを余儀なくされた。
だが、最終的に取締役会でMeyer氏のCEO辞任が決定されたのは、同氏が変化するモバイル市場にAMDを適応させられなかったのが原因とみられる。Meyer氏の過去の発言も、成長するタブレットならびにスマートフォン分野への注力を最優先すべきという意識の欠如をうかがわせていた。
Meyer氏は2010年10月の決算発表の際に次のように述べている。「率直に言って、AMDはノートPC市場でのシェアが依然としてかなり小さいので、タブレット市場に研究開発費をつぎ込むのはまだ賢明とは言えない。市場が十分に大きくなった時点で研究開発費を投下し始める予定だ」
また、1月6日から9日にかけて開催された「2011 International CES」に登場した際も、Meyer氏はタブレットならびにスマートフォン市場は大きいが、PC市場ほど収益性が高くないと語っている。WSJによると、Meyer氏は「販売台数は多いが、収益は比較的小さい」と述べたという。
当面、AMDの最高財務責任者(CFO)であるThomas Siefert氏が、新CEO探しが続く間の同社の運営にあたる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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