大日本印刷(DNP)、NTTドコモ、CHIグループが共同設立した電子書籍事業会社トゥ・ディファクトは1月11日、ドコモのスマートフォン向けの電子書籍ストア「2Dfacto(トゥ・ディファクト)」を、1月12日にドコモマーケット内に開設すると発表した。DNPの運営する電子書籍サービス「honto(ホント)」を利用する。
2Dfactoの開設当初は、hontoの文芸書やコミックを中心とした電子書籍を約2万点用意し、2011年春までに約10万点に拡充する予定。電子書籍の価格は各出版社と交渉中だが、「数十円から2000円程度」(DNPによる)となる予定で、紙の書籍と比べて1〜2割ほど安い書籍が中心になるという。
NTTドコモ代表取締役副社長の辻村清行氏は、「現在の出版市場の規模は2兆円ほどだが、そのうち1〜2割が電子化されていくと考えている。今後5年間で電子書籍市場の約2割のマーケットを獲得できれば」と意気込む。また、他の電子書籍サービスとの差別化の要因として、書籍の品揃えや価格よりも端末の使いやすさやリアル書店との連携が重要になると説明する。
対応端末は、ドコモ スマートフォン6機種(「Xperia」「GALAXY S」「GALAXY Tab」「LYNX 3D」「REGZA Phone」「Optimus chat」)と、1月21日発売予定のブックリーダー「SH-07C」。今後発売するドコモ スマートフォンやブックリーダーにも対応する。決済方法は、クレジットカードまたは電子マネー(WebMoney)から選択可能。
トゥ・ディファクトでは2011年中に「電子書店」(honto)、「オンライン書店」(ビーケーワン)、「リアル書店」(丸善、ジュンク堂、文教堂)を連携させた“ハイブリッド型総合書店”の構築を目指す。
これら3書店での購入履歴から顧客の嗜好にあった商品を案内する機能や、顧客が所有する複数の端末で同一の電子書籍を読める機能、しおりやマーカーなどで記録した情報を複数の端末で共有し、続きを読める機能を提供する予定だ。
トゥ・ディファクト代表取締役社長の小城武彦氏は、「デジタル(電子書籍)を紙の置き換えにはしない。紙の書籍と電子書籍が相まった新たな価値を提供したい」と2Dfactoへの意気込みを語った。
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