マイクロソフト、分散コンピューティング技術「Dryad」の商用化に向け一歩踏み出す

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年12月21日 13時50分

 Microsoftは、「Dryad」(開発コード名)ファミリーの下で開発を進めている「Windows Server」向けの複数の並列/分散技術のテスト版を外部開発者向けに公開した。

 米国時間12月17日付けでWindows HPC Team Blogに掲載された記事で、Microsoftは「Connect」経由でDryad、「DSC」「DryadLINQ」の初のコミュニティテクノロジープレビュー(CTP)を公開すると発表した。

 Dryadは、Google「MapReduce」や「Apache Hadoop」に対抗するMicrosoftの大規模分散コンピューティング技術。当初、DryadはMicrosoft Researchのプロジェクトとしてスタートし、小規模なクラスタから大規模なデータセンターまで対応する拡張性のある並列および分散プログラムを作成する方法を開発することを目指していた。DryadLINQは、同プロジェクトに関連したコンパイラとランタイムとなる。Microsoftは2009年夏、商用以外の学術目的向けにDryadとDryadLINQのコードを公開した。2010年に入り、DryadプロジェクトはMicrosoft Researchから技術コンピューティンググループに移行している。

 2010年8月のプレゼンテーションで、チームは2010年11月に最初のCTPを公開し、「Windows Server High Performance Computing」上で動く正式版を2011年にリリースする計画を明らかにしていた。

 Microsoftは今回公開したプレビュー版を、「データ処理中心のコンピューティングを探る開発者」に向けたものと位置づけている。システム要件は、「HPC Pack 2008 R2 Enterprise」(Service Pack 1インストール済み)ベースのクラスタとなっている。

 以前このブログに書いたように、Dryadは多数の興味深いコンポーネントで構成されている。その中には、新しい分散ファイルシステム(開発コード名「TidyFS」)、関連データ管理ツールセット(開発コード名「Nectar」)、分散クラスタ用スケジューラー(開発コード名「Quincy」)などがある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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