FacebookがモバイルチェックインサービスFoursquareに大きな可能性を見ていることは明らかだ。FacebookはFoursquareを1億2500万ドルで買収しようとした。
しかし、その買収はうまくいかなかったため、Facebookも位置情報サービスに参入することになり、同社独自のジオロケーションサービス「Facebook Places」を開始している。そして同社は米国時間11月3日、大規模な新しいモバイル機能群の発表に踏み切った。中でも注目すべきはFacebook Placesの機能強化で、企業はこれによって、ユーザーがチェックインした際に「キャンペーン情報」を簡単に自動表示できるようになる。Facebookの規模を考えれば、一見したところでは、Foursquareは試練の時期を迎えることになるように思える。
Facebookの新サービス「Deals」では、Foursquareのように、企業は「チェックイン」したユーザーにキャンペーンや割引を提供することにより、顧客を呼び込むことができる。どんな企業でも、規模の大小に関係なく、そうしたキャンペーンをセルフサービス型ツールで作成できる。
このサービスにはさらに優れた機能がある。キャンペーンを有効にすると、そのユーザーのFacebookウォールで共有される。また、キャンペーンにはさまざまな種類があり、例えばチャリティ活動支援キャンペーンでは、企業はチェックイン1回ごとに一定額を寄付する。グループ向けキャンペーンには、Facebookユーザーは友人と一緒でなければ(そしてその友人もFacebook Places経由でチェックインしなければ)申し込めない。さらに、複数回チェックインするとメンバーになれるというロイヤリティキャンペーンもある(Foursquareも「ロイヤリティ」特典を提供している。また、ある場所に一番多くチェックインしたユーザーである「メイヤー(Mayor)」向け特典もある)。
Facebookのユーザーは全世界で優に5億人を超えている。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は3日のプレゼンテーションで、Facebook Placesの利用範囲について具体的にコメントすることは控えたものの、「ほかのどんな位置情報サービスの何倍も大きいことは分かっている」と述べた。パートナーになろうとする企業が、FoursquareではなくFacebook Placesのキャンペーンに魅力を感じるのはそのためだ。つまり、単にカバーしている範囲が広いからである。
Facebook Placesでのプロモーションも、Foursquareでの基本的なキャンペーンやプロモーションと同様、無料のようだ。3日の記者会見で、金銭面の詳細について質問されたFacebookの関係者は、こうしたキャンペーンから利益を得る方法は、企業にFacebookのディスプレイ広告を購入してプロモーションを行うよう働きかけることだと述べるにとどまった。
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