Foursquareの担当者は、Facebookと同社がどのような関係にあるのかについてコメントすることを控えたが、あらゆる兆候からみて、両社の関係は冷え込んでいるように思われる。1つには、Foursquare買収を試みて失敗したことが挙げられる。さらに、もっと気付きにくい事実もある。Facebookが記者会見の席で、「ジオロケーション」分野のほかの企業には触れながら、Foursquareに言及することを意図的に避けたことだ。
ロケーションベースネットワーキングサービスのLooptは、Facebookが新たにロールアウトしたモバイルAPIのパートナーである。Yelpも同様だ。Yelpは、ビジネスレビューサービスの一部として、チェックイン機能を提供している。Facebookの幹部は、Gowallaの名前も出した。Gowallaは以前からFacebookのパートナーになっているチェックインアプリケーションだ。しかし、Foursquareについては一言もなかった。Foursquareは、Facebook PlacesのAPIをチェックインに導入していない。
FoursquareのCEOであるDennis Crowley氏は以前、同社の強みは、その愉快なブランドパーソナリティにあると語っていた(同氏は3日の発表についてはコメントしていない)。Crowley氏は当時、次のように語っている。「3000万、5000万、1億ユーザーへとあっという間に成長することになるサービスを構築するのは難しい。サービスは個々に合うようにある程度小さめにしなければならないからだ。当然ながら、それほど多くのユーザーを相手にするには、ありふれたサービスにならざるを得ない」
しかしFacebookの3日の発表には、Foursquareにとって良いニュースになりそうなことがある。Facebookが位置情報サービスの分野に積極的に参入しようとしていることからは、Facebookが同分野に大いに期待しており、それを手にするために進んで戦おうとしていることが伺える。これは以前からある「分野を実証する」という議論であり、もちろん、前向きな評価になることもある。
この場合、Foursquareにはいくつか秘策がある。Foursquareでは既に、ブランドの「ガイド」やヒントを広告主に代わって提供し、ユーザーがそれに「従う」ことを選択できるように進めている。また、同社がパーソナライズドレコメンデーション機能の導入を進めているという兆候もある。これは、ソーシャルネットワークサービスが導入に苦労してきた機能だ。「Foodspotting」の共同創立者であるSoraya Darabi氏は、「この分野には誰でも参入できる余地がある」と述べている。Foodspottingはレストランのチェックインと料理の写真のアプリケーションで、近い将来、Facebook Placesのデベロッパーとなる可能性が高い。Darabi氏はさらに、位置情報サービスに対応したプロモーションは、独自の広告形態へと進化すると見ており、それによって、従来のディスプレイ広告は脅かされることになるが、Foursquareはそうはならないと述べた。
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