三洋電機は10月28日、2011年3月期第2四半期(4月1日〜9月30日)の連結業績を発表した。車載機器、太陽電池、光ピックアップなどが売り上げを伸ばし、増収増益となった。売上高は前年同期比1.6%増の7784億円、営業利益は同188億円増加の253億円、継続事業税金等調整前四半期純利益は同289億円の損失から191億円の黒字に転換した。
三洋電機取締役常務執行役員の松葉健次郎氏は「急激な円高の影響など、第2四半期は先行き不透明感が強まったが、増収効果とコストダウン効果により、営業利益は253億円という大幅な増益となった」と話す。
中でも好調に推移したのが、光ピックアップなどを有する電子デバイス事業とナビゲーション、白物家電などのコンシューマエレクトロニクス事業だ。「電子デバイスは、IT関連市場の回復により、売上高で前年同期21.6%増の1154億円、営業利益で同107億円プラスの106億円となった。PC需要は減速傾向にあるが、上期は順調に推移した。一方コンシューマエレクトロニクス部門は、車両販売の回復とともにカーナビゲーション、カーオーディオといった車載機器の売上が大きく増加した。また、炊飯器や掃除機なども好調で、売上高は同17.3%増の1119億円、営業利益は同17億円増の34億円になった」とコメントした。
一方、太陽電池が好調に推移したエナジー部門は、売上高が前年同期比0.2%減の2078億円となったが、営業利益は同26億円プラスの112億円となった。「太陽電池は各国の補助政策により、国内外ともに売り上げを拡大した。現在は日本国内と欧州で4割くらいのウェイトを占めている。販売数の伸長と同時にコストダウンも進んでおり、収益を上げている」という。しかし2次電池に関しては「リチウムイオン電池は販売数量が増加しているものの、単価下落の影響が大きい。この市場は韓国メーカーが猛追してきており、ウォン安を背景に攻勢に出てきた。価格競争は激化しているため、収益化は非常に厳しい」と現状を話す。
このほか、テレビやデジタルカメラなどのデジタルシステム事業は、売上高が前年同期比11.3%減の1564億円、営業利益が同56億円マイナスの16億円となった。「薄型テレビ、プロジェクタが東南アジアを中心に販売台数を伸ばしたが、デジタルカメラは価格下落の影響から売り上げが減少した。特にOEM販売が厳しく、国内販売が減少した」と言う。
三洋電機では半導体が非継続事業になった影響から、2011年3月期の連結通期見通しの売上高を、前回発表時の1兆7500億円から、1兆6000億円へと下方修正した。営業利益などに関しては変更していない。
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