プロジェクタでも3Dフル対応、ソニー「VPL-VW90ES」--その画質と仕組み

加納恵(編集部)2010年10月28日 12時41分

 ソニーは、9月に発表したビデオプロジェクタ「VPL-VW90ES」(VW90ES)と「VPL-HW20」(HW20)の商品説明会を開催した。3D対応の上位機種を中心に、3D再生技術などを説明した。

 両機種ともにパネルには0.61型のSXRDを採用。3D対応のVW90ESのみ、240Hzの高フレームレートで液晶パネルを高速駆動させる。ダイナミックコントラスト比は、VW90ESが最大15万対1、HW20が最大8万対1となる。これはSXRDパネルの画素スペースを、従来の0.25マイクロメートルから、0.2マイクロメートルへと狭めることで実現したもの。画素ピッチを細かくしたことで、メッシュ感のない滑らかな映像再現ができたとしている。

 3D映像再生には、フレームシーケンシャル表示方法を採用した。視聴の際必要になる専用の3Dメガネ「TDG-BR100」は、2個を同梱する。この3Dメガネは、プロジェクタで3D視聴するために作られたもので、3Dメガネ用偏光フィルタが装着されている。本体には3Dメガネのほか、偏光フィルタも標準サイズが2セット、小型サイズが2セット付属する。

 3Dシンクロトランスミッタ部はレンズ周辺部に内蔵されており、別途接続の必要がない。これは、天吊りや棚の上など、普段手が届きにくい場所に設置されるプロジェクタの環境を考慮してとのこと。トランスミッタの配線や設置を気にせず利用できるメリットがある。

 トランスミッタ部から送られる信号は、スクリーンに反射して3Dメガネに届けられる仕組み。視聴距離は約5m程度で、5m以上で視聴する場合は、3D対応テレビであるブラビア用に販売されている別売の3Dシンクロトランスミッタ「TMR-BR100」を接続することで利用できるとしている。

  • 「VPL-VW90ES」と同梱される専用3Dメガネ

  • 3Dシンクロトランスミッタはレンズ周辺部に内蔵されている

  • トランスミッタ部から送られる信号は、スクリーンに反射して3Dメガネに届けられる仕組み

 VW90ESは、3D映像再生時に生じるクロストーク(二重映り)を軽減させるため、240Hzの高フレームレートで液晶パネルを高速駆動している。これにより右目と左目のフルハイビジョン映像を高速に切り替えることで、二重映りを抑えるとのことだ。

 ブラビアにも採用されている「2D→3D変換機能」も搭載されており、2Dコンテンツを3Dで視聴することもできる。ソニーによるとプロジェクタでこの機能を備えているのは、VW90ESのみとしている。3D時の映像は、3段階の「3Dメガネ明るさ調整」と、5段階の「3D奥行き調整」から好みの画質に調整が可能だ。

 VW90ESは11月20日に発売される。価格は72万4500円。11月上旬から東京銀座の「ソニーショールーム」、大阪梅田の「ソニーストア大阪」にて先行展示される。

  • 240Hzの高フレームレートで液晶パネルを高速駆動するため、左目用と、右目用の映像が1枚の画像の中に混在せずクロストークを抑える

  • 「2D→3D変換機能」時の表示選択メニュー

  • 3Dメガネ用偏光フィルタが同梱される

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