そうは言っても、Microsoftはこの分野でハードウェアメーカーと協業を続けている。すでに、ソリッドステートストレージを利用したかなり高速なマシンがいくつか登場している(その中には、超薄型でMacBook Airよりもさらに軽い「VAIO X」がある)。チップに関する発展もさらなる高速化に有効なはずだ。また、Microsoftは価格の面でも有利な立場にあると言える。フラッシュストレージは今も従来のハードドライブよりはるかに高価であり、ソリッドステートストレージへの標準化の動きが出てくれば、WindowsノートPCには価格で競争する余地が十分に確保される。
しかしMicrosoftは、MacBook Airだけを心配していればよいというわけではない。Appleは、2011年夏にリリース予定の新OS「Mac OS X Lion」で、iPadのような消費者向け電子機器的な感覚をこれまで以上にMacに盛り込むと語っている。
それよりも前に、AppleはアプリケーションストアをMacに導入する予定だ。このストアによって、Appleのコンピュータがソフトウェア開発の場として再び活気づくかもしれない。特に、iPhoneやiPadで急伸したような小さく安価なプログラムにとっては、その可能性は大きい。従来型のソフトウェアの世界では、2ドルのプログラムを配信することは難しいが、アプリストアの世界では非常に簡単だ。このソフトウェア配信のメカニズムは、MacBook Airに光学ドライブがないことを、より口当たりよくするものでもある。
一方のMicrosoftは、「Windows 8」向けに同社自身のアプリストアを計画しているようだが、この新OSがいつ登場するのか、どのような機能があるのかということについて、同社は発言を控えている。
最後に、Appleは「iLife」の新しいバージョンを投入した。Microsoftがホリデーショッピングシーズンに向けて強く売り込んでいるのは、「Windows Live」アプリケーションをWindows 7 PCと組み合わせたときの能力に関することだ。Microsoftは多くの労力をつぎ込んで、同社のムービー作成プログラムと写真編集プログラムを作り替え、Apple製品への対抗を強化し、それらのプログラムをホリデーシーズン広告展開の中心にすえようと計画している。
「Windows Live Essentials」スイートには、Appleにないものがいくつかある。その1つは、新しいコンピュータを購入した人だけでなくすべてのユーザーにとって無料だということだ。また、Microsoftには、複数のPCで(そしてMacとでも)データを同期できる「Windows Live Mesh」ソフトウェアがある。
AppleはMicrosoftに対し、フラッシュストレージで挑戦してきた。Microsoftの次の一手は何だろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス