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広告パフォーマンス一筋〜ネット広告効果測定10年目にして思うこと〜

羽田稔(株式会社パフォーマンス・エージェンシー)2010年08月30日 11時53分
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 古代中国の思想のなかに「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」という言葉があります。

 私が初めてインターネット広告の効果測定ツールに出会い、使い始めたのは今から約10年前でした。アナログ人間だった私が最初にデジタルと接触した瞬間でもありました。実施したインターネット広告のメニューだけではなく、同一枠内にランダムで表示されるバナーごとの費用対効果が明確になる、というのは驚きと感動であったと同時に、数値を追い求める日々の始まりでもありました。

 さて、インターネット広告効果測定10年目にして思う事があります。本日はそれをお伝えできればと思います。

 そもそも、ツールやデータというのは人間の業務や企画をサポートするのが本来の役割であるはずなのですが、当時私は費用対効果が明確になるが故に、逆にツールやデータに振り回されていました。効果の数値を向上させるという目的のために業務過多となり、人(当時は私自身)が疲弊しながら奮闘する日々が続きました。それが唯一の正解と信じて。

 しかし、業務の1日の全てを費用対効果の検証に費やし、「効果の数値が向上する」という目的に最も寄与する要因として辿り着いたのは、当時私が最も重要視していた、「データ」ではありませんでした。それは「人」でした。正確にいうと、「人のモチベーション」だったのです。もちろんデータを考慮にした上でのことです。

 ご存知のように、インターネット広告の効果を測定すると様々な数値、広告をクリックする率やウェブサイト上でアクションを起こす率、離脱率などが見えてきます。そして、費用対効果を改善すべく、それらの数値を改善しようと奮闘します。

 具体的には、メニューやプランニングで解決したり、バナーの表現やデザイン、あるいはサイトをチューニングしていきます。データを元に修正やチューニングするのは当然なのですが、データを最優先するあまりに、気付かぬうちに人を疲弊させていたのです。それでは効果の数値を向上させるには限界がありました。

 なぜなら、人の考え出す創造的な要素を抑制してしまっていたからです。人から生まれる知恵や革新的なアイデアを数値だけで判断すると、新しい試みができにくくなってしまうようです。言い換えると、人のモチベーションがデータを「良い数値」にすることができる可能性を持っているのです。

 ようやく3年目にしてその事に気付き、「人」を中心に据えて実行すると、実際に数値は好転していきました。

 つまり、モチベーションの高い人が作るバナー広告やテキスト広告、ホームページは、データの数値も実際に良くなる傾向にあります。モチベーションが高くなれば、仕事への姿勢も積極的となり、結果としての数値も良くなり、さらにモチベーションが高まるという、良好なスパイラルが展開され、仕事そのものが非常に楽しくなるのです。

 インターネット広告効果測定10年目にして私が思うこと、それは「デジタル極まればアナログとなり、アナログ極まればデジタルとなる」ということです。

 デジタルとアナログは対極にあって対極ならず、デジタルが人の能力を規制するのではなく、人の能力を最大限に引き出すための使い方をすべきだと。また、それができるのだということです。

◇ライタープロフィール
羽田 稔(はだ みのる)
1994年同志社大学経済学部卒。2000年よりデータベースマーケティング企業にて事業主側マーケティング統括としてインターネット広告の効率化に携わり、2006年に博報堂DYインターソリューションズへ入社、博報堂DYメディアパートナーズにてi系パフォーマンス領域専門チームとして業務に携わる。2007年インターネット広告パフォーマンス領域のPDCAを専門とする(株)パフォーマンス・エージェンシーを設立。

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