シマンテックは8月25日、セキュリティソフトの最新版「ノートン インターネットセキュリティ 2011」(ノートン2011)と「ノートン アンチウイルス 2011」を8月27日から発売することを発表した。オープン価格だが、推定実売価格はインターネットセキュリティ 2011が6480円、アンチウイルス 2011が4980円となっている。8月27日の発売は、全世界に先駆けたものだが、これは同社が日本市場を最重要市場として注力しているからだとしている。
最新版のノートン2011では、前版のノートン2010に引き続きレピュテーション(評価)技術を搭載している。これは、現在5800万人で構成されるノートン コミュニティ ウォッチ メンバーから提供されるデータをもとに、不審なファイルをチェックして、マルウェアを特定したり、その動きを阻止したりするものだ。ファイルがインストールされているPCの台数、最初にそのファイルが登場した時期、ファイルの作成元などそのほかのデータなどがコミュニティ ウォッチ メンバーから提供され、そこからマルウェアかどうかを判断する。このレピュテーション技術は、マルウェアかどうかを集合知で判断するクラウド的技術とも表現できる。
シマンテックの風間彩氏(コンシューマ事業部門リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)は現在の代表的な脅威のトレンドとしてニセセキュリティソフト、ウェブ検索結果のポイズニング、ソーシャルメディアへの攻撃を指摘して、「ネット犯罪者の手口はますます巧妙になっている」と説明する。
風間氏はここ数カ月のマルウェアのトップ10位に4つのニセセキュリティソフトが検出されている事実を指摘するとともに、最近では多言語化され、日本語のニセセキュリティソフトも出回っていることを明らかにしている。
風間氏が指摘するウェブ検索結果のポイズニングとは、ウェブ検索結果にマルウェアをダウンロードさせるためのサイトを忍び込ませるものだ。風間氏の説明では、検索結果300件のうち100件が、こうしたポイズニングによるものだという。また、ウェブ検索結果のトップページにポイズニングが仕込まれるケースもあるとしている。風間氏は、レピュテーションをはじめとする脅威対策技術を搭載したノートン2011があれば、そうした脅威からユーザーを守ることができると、そのメリットを強調している。
レピュテーション技術を応用し、ダウンロードされたファイルの安全性をチェックする技術が強化された「ノートン ダウンロード インサイト 2.0」がノートン2011に搭載されている。前版で対応するのはInternet ExplorerとFirefoxだけだったが、新版では対応するブラウザにOperaやGoogle Chrome、Safariなどが追加されるとともに、Yahoo! MessengerやWindows Messengerなどのインスタントメッセージング(IM)、Microsoft OutlookやMozilla Thunderbirdなどのメールクライアント、PtoPソフトなども追加されている。マルウェアからPCを防御するために、ファイルをダウンロードするソフトとしてブラウザだけでなく、IMやメールクライアントなどにも守備範囲を拡大させている。
ノートン2011には「ノートン システム インサイト 2.0」も搭載されている。これも前版から機能を拡張している。システム インサイト 2.0は、PCで稼働しているすべてのアプリケーションをモニタリングして、過度にシステムリソースを使用しているプログラムがあれば、事前措置として警告を表示、ユーザーがPCの性能低下を防ぐために、そのプログラムの動作を制御することができる。
前版からの機能強化を図っているノートン2011だが、風間氏は、その性能も大きく改善されていると強調する。第三者機関のPassmarkの調査では、ノートン2011はほかの主要セキュリティソフトと比較してナンバーワンの性能を誇ると風間氏は説明する。スキャニング時間やインストールにかかる時間、ファイルをコピーしたり移動したり、削除する速度、ウェブブラウジングの速度などの点で、他社製品と比較して性能が優れているという。また前版のノートン2011と比較しても、大きく性能が向上しているとも風間氏は説明している。
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