わたしはフリーランスのライターになると決める前、ある組織のCIOを務めたことがあり、他にもいくつかの組織でITマネージャーを務めた経験がある。その間、わたしはマネージャーとして成功するために必要なことを多く学んだ。条件のいくつかは、プロジェクトを期限までに予算内で完了するなどといった、明白なことだ。しかし多くの場合、よいマネージャーになるには、さまざまなプロジェクトを円滑に進めることよりも、部下とどう接するかということの方が重要だ。この記事では、わたしが学びとったよいITマネージャーになるために必要なことを、読者と共有したい。
わたしが読者にできる最善のアドバイスは、部下の話を聞き、彼らの提案を真剣に検討すべきだということだ。必ずしもすべての提案を聞き入れる必要はないが、少なくとも従業員の言うことをよく聞くこと。日常的な業務のほとんどを行うのは彼らであり、あなたが気づいていない組織運営の問題について、考えを持っているかもしれない。
部下と話す時間を取ることで、価値ある意見を吸い上げられるだけでなく、士気を高めることもできる。従業員の意見を聞くことは、彼らを尊重し、彼らの意見を重んじているということを示すことになる。
ITマネージャーを務めているときに気づいたもう1つのことは、部下に対してできるだけ融通を利かせることが大事だということだ。わたしがこれまでに勤めたすべての職場では、IT関連の仕事はストレスが大きく、勤務時間も非常に長かった。誰もが長時間働いているため、わたしは従業員が時々就業時間中にしばらく席を外す必要があるということを受け入れざるを得なかった。例えば、スタッフが銀行が閉まってしまう前に行かなければならなかったり、子どもを迎えに行く必要が生じる場合もある。わたしはITマネージャーとして、IT運用に問題が生じない限り、この種の要望にはできるだけ応じるようにした。
ITマネージャー(特にCIO)は、サーバの設定やトラブルシューティングよりも、会議に時間を取られることが多い。その結果、身につけている技術的なスキルが時代遅れなものになってしまいがちだ。しかし、普段は使わないとしても、技術的なスキルを維持すべき理由が少なくとも3つある。
第1に、部下から何も知らないバカなマネージャーだと思われたくはないはずだ。最低限のIT知識がなければ、部下はあなたに敬意を払わないかも知れない。第2に、従業員を首にしなくてはならなくなったり、誰かが急に辞めたり入院してしまう可能性は常にある。あなたはそんな時、一時的に助けに入って、その従業員が取り組んでいたプロジェクトを完了させるだけの知識を持っている必要がある。十分な時間や、自分だけでそのプロジェクトを終わらせるだけの技術的な知識がない場合でも、その作業に取り組む人を必要に応じて支援できるだけの知識を持っている必要がある。第3に、ベンダーは常に、ものを売りつけようと手ぐすねを引いている。十分な技術的知識を持っていなければ、劣った製品を売り込もうとする言葉巧みなベンダーに簡単にのせられてしまうだろう。
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