マイクロソフトの「Windows Azure」:この1年で何が変わったのか? - (page 2)

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年08月13日 13時49分

 「Cloud Computing with the Windows Azure Platform」の著者でありクラウド専門家のブロガーRoger Jennings氏が独自のAzure構成図を作成している。Jennings氏の図には、中核となるプラットフォームだけではなく、Azure向けに発表された関連アドオンも含まれている。


 新しいコンポーネントの多く--これに加えて、Azureのバッチ処理とライフサイクル管理で新しいものも出てくるかもしれない--は、2010年10月後半に開催予定の「Professional Developers Conference(PDC)」で明らかになると予想されている。

クラウドとオンプレミスのギャップ解消に向けて

 この1年、「子犬だったRed Dogはずい分大きくなった」とSrivastava氏は述べる。「だが、考えとしてはエンタープライズ向けに何かを構築するということであり、最初から変わっていない。われわれの目標は最初から、開発者が利用できるようにすることにある。だが、エンタープライズが収益の面では重要ということも理解している」(Srivastava氏)。

 なるほど、「エンタープライズ向けAzure」という考え方は以前からあったのかもしれない。だが、Microsoftの幹部はこれまで、エンタープライズに向けてAzureをどのように提供していくのかについて、用心深かった(あるいは/と同時に、わかりにくかった)。Microsoftのプライベートクラウド戦略は、チームが2010年7月に「Windows Azure Appliance」のビジョンを発表した際に少し具体的になった。

 「パートナー企業に(Azure)技術を提供すると約束した。だが、具体的な方法については語っていなかった」とSrivastava氏は語る。「単にCD(-ROM)にたくさんのプログラムを入れたものではないということは述べたが」と続ける。


 必要な部品を寄せ集めたWindows Azure Applianceを手がけたのは、バイスプレジデントのBill Laing氏とそのチームだ。Laing氏はそれ以前、Windows Server部門のバイスプレジデントを務めており、Srivasta氏とは1990年代に共にDigital Equipmentに勤務するなど、当時から同僚の関係にある。

 Red Dog時代のチームは、主としてWindows Serverのスタッフで構成されていた。わたしが聞いた話からは、Windows Serverとクラウドの2つの部門の統合は、開発/エンジニアの面では比較的スムーズに進んでいるようにみえる(Microsoftは、Windows ServerとWindows Azureのコラボレーションを促進するため、お互いの施設を行き来しやすくするよう高速道路上に橋を作っている)。

 「わたしがやっていることは、ITプロの視点を加えることだ」とLaing氏。「Azureは当初開発プラットフォームとしてスタートした。しかし、顧客やパートナー企業と話をしていくうちに、Azureを自社データセンターで利用できるか知りたがっていることがわかった」

 Azureが最初に開発プラットフォームとして開発された(フェーズ1)とすれば、フェイズ2はエンタープライズプラットフォームとなる。では、フェーズ3は何か?Laing氏は、拡張だという。Microsoftはまず、初期パートナー企業(Dell、富士通、Hewlett-Packard、eBay)にWindows Azure Applianceをロールアウトし、各社がさまざまな付加価値サービスを持つAzureベースのクラウドを運用する。Microsoftもまた、プラットフォームに追加サービスや機能を加えることになっている。これは、Windows Serverが現在さまざまな役割を持つのと同じようなものだ、とLaing氏は説明する。

 「6つのデータセンターではなく、Azureは600のデータセンターで利用できる」とSrivastava氏。「だが、その全てで同じ土台技術スタックが動くことになる」と続ける。

 このようなプライベートクラウド実装はWindows Azureが動く多数のサーバを出荷するよりも入り組んだものであり、その土台にはAzure開発当初からの考え方である「サービスモデル」コンセプトがある(Microsoftの歴史に詳しい人なら、当初の「Dynamic Datacenter Initiative」を思い出すかもしれない。Windows Azureはたくさんの同じ概念を表すマニフェストとなる)。

 サービスモデルの背景にあるアイデアは、Azureが顧客やパートナー企業に自動設定、実装、全体の管理などの機能を提供するというものだ。アプリケーションやサービスを動かし、自動的にプロビジョンするために必要なウェブフロントエンドの数、バックエンドの数を計算できる必要があるとLaing氏はいう。ここで、そう遠くはない将来に、アプリケーションサーバの仮想化とシステム管理の進化が活躍することになる。

 「ITプロはこのインフラを管理するのに圧倒されてきた」とLaing氏は言う。Azureはもっと作業負担を軽減できる、とMicrosoftは信じている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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