三菱総合研究所(三菱総研)、コクヨファニチャー、東京急行電鉄、東京電力、日本IBM、NTTの6社は8月4日、クリエイティブ産業に求められる都市の機能や役割を検討する「クリエイティブ・シティ・コンソーシアム」を設立した。会員は8月4日時点で、法人会員が発起人6社を含む28社、学術会員9名、後援会員6団体となる。
主な活動内容として、(1)クリエイティブシティのグランドデザインの検討や発信、(2)クリエイティブシティ実現のために必要なインフラの研究や実験、実証、(3)クリエイティブシティの実現や持続的発展に向けた活動――を挙げている。
検討モデルとして採用された都市は、東京都世田谷区の二子玉川地区。緑地や河川などの自然を残す一方で、渋谷など都心へのアクセスも良く、「ハイブリッドな環境」として位置付けている。また、二子玉川東地区第一種市街地再開発事業も進められており、今後も発展する可能性がある地区としている。
コンソーシアムでは二子玉川地区をモデルに、クリエイティブシティのコンセプトや必要性、機能などの要件について議論を進める。具体的なテーマとして、エネルギーや交通など次世代都市インフラについて検討する「スマートシティ」、クリエイティブ産業に必要なワークスタイルやビジネスインフラに関する「フューチャーワーク」、3DやCG、デジタルサイネージなどの映像産業に関する「ネクストメディア」、新たなBtoCサービスの取り組みに関する「スマートライフ」を取り上げる。これらのテーマに沿ったワーキンググループを設置し、具体的な実現に向けて社会実験などを行う予定という。
また、会員企業やクリエーター、ベンチャー企業、行政関係者などが交流できるオープンラボ「カタリストフロア(仮称)」を2011年春に開設予定。相互が創造性を刺激し合える場として、新たなビジネスの創発を促進する。今後の活動方針については、12月中旬をめどにクリエイティブシティのグランドデザインを発表する。2011年から2014年にかけてクリエイティブシティの具体化を検討していくとしている。
クリエイティブ・シティ・コンソーシアムの会長を務める三菱総研理事長の小宮山宏氏は、今回の取り組みについて、「高齢化や環境などの課題を解決するには新たな産業を創造する必要がある。国家にすべてを頼るのではなく、企業や住民、自治体、大学が自発的に考え、21世紀の快適な街『プラチナ社会』の実現に向け、二子玉川地区を世界の先端を行く街にしたい」と意気込みをみせた。
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