ソフトバンクが大きく躍進--ケータイ3キャリアの決算を比較する

藤井涼(編集部)2010年08月02日 14時46分

 携帯電話大手3社の2011年3月期第1四半期(4〜6月)決算の結果が出揃った。各社の業績や今後の取り組みについて見ていこう。

営業利益でソフトバンクが大躍進

 まず、連結での売上高(営業収益)はNTTドコモが前年同期比0.4%増の1兆892億円、KDDIが同1.4%増の8660億円、ソフトバンクが同5.2%増の7008億円となった。トップのNTTドコモにKDDI、ソフトバンクが続くが、前年と比べるとソフトバンクの増収幅が他社に比べて大きい。

 営業利益についてもNTTドコモが2405億円でトップだが、それに次いだのはソフトバンク(1566億円)で、初めてKDDI(1292億円)を抜いた。また、NTTドコモが前年同期比4.5%減、KDDIが同8.8%減と苦戦しているのに対し、ソフトバンクは同44.6%増と躍進している。

 純利益は、NTTドコモが前年同期比3.5%減の1422億円、KDDIが同17%減の719億円、ソフトバンクが同29%減の194億円となった。なおソフトバンクは、ヤフーへのデータセンター売却の問題で、国税局へ247億円の追徴課税を支払っているため大きくマイナスとなっている。

各社の2011年3月期1Q連結業績
NTTドコモKDDIソフトバンク
営業収益(売上高)1兆892億円(+0.4%)8660億円(+1.4%)7008億円(+5.2%)
営業利益2405億円(▲4.5%)1292億円(▲8.8%)1566億円(+44.6%)
経常利益未公開1225億円(▲11.5%)1268億円(+61.0%)
純利益1422億円(▲3.5%)719億(▲16.8%)194億円(▲29.0%)

各社の決算要因および今後の展開

 NTTドコモはスマートフォンやデジタルフォトフレームなどの新市場の開拓、また海外プラットフォームの成長や通信販売、オプションサービスなどでの収入が拡大したことが増収に繋がったとしている。今後は、おサイフケータイやワンセグに対応したスマートフォンを提供するほか、9月にはスマートフォン向けISP「spモード」を提供する。

 KDDIは、端末販売台数が増加したものの音声ARPUを中心に電気通信事業の営業収益が減少したため増収減益となった。今後は、「LISMO!」や「au Smart Sports」など、auの主力サービスを強化することでデータARPUを伸ばしていくとしている。

 ソフトバンクはiPhoneやiPadの売上が好調だったこともあり、連結売上高が四半期ベースで2期連続して最高記録を更新。営業利益も四半期ベースで5期連続して最高益を更新した。今後もiPhone、iPad向けのコンテンツを拡充していくほか、基地局やWi-Fiスポットを増やすことで、電波状況も改善するとしている。

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