ソフトバンクは7月29日、2010年度第1四半期(4〜6月期)の決算を発表した。連結売上高は前年同期比5%増の7008億円で、四半期ベースで2期連続して売上高の最高記録を更新。営業利益も同45%増の1566億円で、四半期ベースで5期連続して最高益を更新し続けている。経営利益は同61%増の1268億円、純利益は同29%減の194億円と なった。
純利益が約3割減となった要因としては、2月にヤフーへソフトバンクIDCを売却したことが国税局から税務目的だと指摘され、追徴課税を247億円支払ったためだ。これに対しソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、あくまでもヤフーのクラウドへの展開やサービス増強のためにデータセンターを売却したと強調する。
「国税局の指摘は全くの的外れ。IT業界の常識から逸脱した見方であり、世界中から笑われてしまう。日本の国税局は遅れているということを明確に指摘したい」と国税局を強く批判し、支払った247億円については「後で戻ってくるお金だと思っている」とコメントした。
移動通信事業での営業利益は前年同期比70%増の1026億円となり、四半期ベースで4期連続の最高益となった。純増契約数も前年から倍増し約70万契約、ARPU(ユーザー1人あたりの月額利用額)もデータARPUが増加したことで260円のプラスとなった。
2010年度は設備投資にも注力する。2010年3月末での基地局数は約6万だったが、ユーザーからの電波状況改善を求める声に応えるため、2011年3月末までに倍の約12万まで増やすという。「世界的に見ても1年で基地局を倍増した例はあまり聞かないが、ソフトバンクでは積極的に進めていく。そのために機材の調達や場所の確保も進めている」(孫氏)。
また、ソフトバンクがChina Mobileらと設立した合弁会社「JIL」は、7月よりNTTドコモなどが参画する「WAC」と協力体制になる。今後は、WACを通じて約30億人(JILとWACの参画各社の契約数の合計)に向けた新サービスを世界の主要な携帯電話事業者と共に開発していく。孫氏は「WACの主要メンバーとして積極的にリードしていく」と意気込みを語った。
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