すべてのハブでこの種のパノラマ式ユーザーインターフェース(ピボットとも呼ばれる)が利用できる。画面上部にはどの下位カテゴリにいるかが魅力的なテキストで分かるようになっており、一部のケースでは、状況に応じてスクリーンの下部に小さなツールバーが表示され、そのアプリケーションに特有の作業をしやすくなっている。
この種のナビゲーション手法はスクロール操作が多くなりすぎ、複雑になりすぎる可能性があるという人もいるだろうし、確かにiOSやAndroidと比べれば、消費者にとってこれが問題となる可能性もある。その一方で、複数の異なるアプリケーションを立ち上げなくとも、1カ所で多くのことができるというのは非常に素晴らしいし、われわれはMicrosoftがこの種の整理手法を考え出したことを賞賛せざるを得ない。また、ユーザーインターフェースが一貫しており、どのハブでも同じように使えたことも高く評価したい。
全般的に、Windows Phone 7は過去のWindows Mobileよりもより心地よい操作体験を提供してくれる。これは主に視覚的なものが理由だが、他の側面でもそうだ。Microsoftはタイポグラフィに力を入れながら、クロムレスなユーザーインターフェースを作ったが、同時にモーションにも重点的に取り組んでおり、アプリケーションを起動した状態で複数のスクリーンをナビゲーションすると、画面移行の一部が回転ドアのようなモーションになっているのに気づくはずだ。これは新しいし新鮮だが、このためにナビゲーションが遅くなることもある。
戻るボタンとスタートボタンは、それぞれ前のページやスタート画面に戻るという役割を果たしているが、Androidのように最近使ったアプリケーションのリストを表示させる方法があればさらによかった。これは、一旦アプリケーションを使い始めると、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうことが多いためだ。しかし全体としては、試作デバイスであるにも関わらず、タッチインターフェースと全般的な操作感は、過去のバージョンのWindows Mobileよりも快適に感じた。
Windows Phone 7で興味深いのは、時々、2つのまったく異なる体験をしているような気にさせられるところだ。スタート画面とメニューリスト、そして電話機能、電子メールの受信箱、カレンダーなどの一部のアプリケーションは、完全にミニマリズム的であるのに対し、前述のハブやマルチメディア機能などの他の側面については、より洗練されたエレガントなものになっている。このくい違い自体はナビゲーションを損なうものではないが、これによって、端末が1つにまとまっていないように感じさせられることも確かだ。
では、消費者はこれを受け入れるだろうか?正直に言えば、われわれは最初はあまり受け入れられないのではと考えている。ユーザーインターフェースにはさまざまな改善が施されているが、依然として他のOSに比べればやや複雑だ。とはいうものの、読者にはWindows Phone 7を完全に無視するべきではないと忠告したい。なぜなら、単純に、これは違うものだからだ。変化は恐ろしいものだが、よいものにもなり得る。
編集部注:中編はこちら。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来