Twitterやmixiを使った新たな電子決済ビジネスを探る

新澤公介(編集部)2010年07月28日 20時32分

 資金決済に関する法律「資金決済法」が2010年4月に施行された。野村総合研究所(NRI)は7月28日、この資金決済法により大きく変わろうとしている電子決済ビジネスについて、今後の展望や新規事業者の参入の可能性などを発表した。

 これまで銀行以外に認められなかった為替業務だが、資金決済法の施行により、一般企業でも「資金移動業」として送金サービス事業に参入できるようになった。これにより、携帯電話やTwitter、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、電子マネー、ECなどを利用して、銀行を介さずに個人間の送金が可能になる。

安岡寛道 安岡寛道氏

 ミクシィが資金移動業者に登録したと仮定すると、ユーザーはmixiの日記を一つの作品と位置づけ、読者に数十円程度課金して公開するといった新サービスを展開できる。数十円程度の送金であれば送金サービスの仕組みが有効といい、「個人が少額からビジネスを開花できる」とNRI金融戦略コンサルティング部 上級コンサルタントの安岡寛道氏は説明する。

 また、ミクシィとグリーがともに資金移動業者であれば、mixiのアカウントからGREEのアカウントに送金することも可能になり、両社と委託契約する業者から現金を引き出すといったサービスも考えられる。同様に、Twitterを使って政治家のアカウント宛に献金したり、携帯電話から納税や募金などが行えるほか、金融機関を介さずに個人間で金銭の貸し借りができる仕組み「ソーシャルレンディング」も提供できるようになるという。

  • ユーザー間で送金する際の仕組み

  • 送金サービスのイメージ

  • さまざまな送金シーンが想定される

 ただし、資金移動業者がビジネスを展開する上で、金銭のやり取りは100万円以下、1回10万円以上のやり取りには本人確認が必要になる「マネーロンダリング防止法」といった制限もあるとしている。

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