Intelは米国時間7月27日、レーザーと検出器を統合したシリコンチップをベースとする高速光ファイバデータシステムのプロトタイプを披露した。同システムの通信速度は50Gbpsだが、Intelは将来的に1Tbps以上に拡張可能だと主張している。
現行のシステムでは、光の生成と検出をそれぞれ独立したコンポーネントに頼っているが、一方でIntelのプロトタイプでは、これら2つが同じシリコン基盤上の一部となる。さらにこの基盤には他のコンポーネントも組み込まれ、それらはチップ製造の過程で同じダイ上に同時に構成することが可能だ。
Intelの研究員でPhotonics Technology研究部門ディレクターを務めるMario Paniccia氏は、「これは、シリコン製造が光通信にもたらすこと、ムーアの法則が全てのコンピューティングプラットフォームの高帯域通信にもたらすこと、そして、将来のアプリケーションを革新することについての話だ」と述べた。
デモ用システムは、Intelが過去に発表した多くの技術で構築されている、とPaniccia氏は語った。「2004年には、シリコンからレーザーを作り出せるとは誰も考えなかった。われわれはこれまで、40Gbpsで稼働するそうした技術をデモし、モジュレータを40Gbpsで作動させることも行ってきた。今回の挑戦は、それらすべてをまとめて組み込むことだ」
デモ用システムは、4つの異なる赤外線波長を持つ4種類のレーザーを結合し、1本の光にまとめて出力する。受信部では、まとめられた信号が個々の波長に分離されてから、4組の超高速光検知器に送られる。
シリコンは赤外線の波長では透明なため、オンチップ回析格子の異なるパターンを設定することで調整可能なリン化インジウム/シリコンのレーザーに関するIntelの設計と組み合わせて、チップの各部を導波管、鏡、プリズム、その他の光学コンポーネントの生成に利用できる。同社によると、製造中の1回のボンディング処理は、異なる周波数に調整できる多数のレーザーを作り出すことができ、生成される光の品質は非常に良好だという。
Paniccia氏によると、将来の開発は、1つのチップにおけるレーザー数の増加とレーザーごとの速度の向上の問題になるという。「われわれは40Gbpsで伝送する技術の大半を示したし、レーザーの数は25本まで増やせる。これで、1秒につき1テラビットになる」(Paniccia氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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